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Sugar Box
第16章 今夜も黒バラを君に。 *前*
「いま、俺のこと〝馬鹿だって〟思っただろう?」
「まさか。面白い方だな、と思っただけです。」
「馬鹿にしてる方の〝面白い〟だろう?」
「ご自由に感じて下さい。僕は、掃除をしてきます。
食べ終えたら食器くらいは、シンクに片付けて下さいね。」
ペコッと頭を下げてダイニングを離れる。
「くそっ。」
縮まらない距離感にもどかしい。
》 》
なんでも出来るしなんでも手に入る。つまらない。
頑張らなくても手にできるのがつまらなかった。ちやほやされるのは、嫌いじゃない。独りは、寂しい。
色々な人肌に頼っても結局は、捨てられる。捨てたことなんかない。
傍にずっと居て欲しいのにみんな去って行く。俺に〝愛情〟を感じないんだと言って寄って来ては、勝手に去って行く。
〝寂しい〟・・・・・・誰も〝本当〟を見てくれない。