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Sugar Box
第16章  今夜も黒バラを君に。 *前*
  


「へ?」


 逃げるどころか料金をせびってきた。


「当然じゃまいですか。僕は、〝家政夫〟であって〝パートナー〟や〝ソープボーイ〟ではないんですからね。
 その辺をきっちり理解した上でご用命下さればいくらでもお背中をお流ししますよ、旦那さま。」


「っ・・・・・・」


 にっこりとハッキリと言われてしまった。邪な気持ちもないとは、言えない・・・見透かされている。それもそうだろう。
 初対面で告白したのだから。


「どうしますか?」


「流して、欲しいです。」


「そうですか。では、少々お待ち下さい。」


「へ?」


「準備をしますから、身体を冷やさないようにお待ちください。」


 ドア越しに伝えて1度玄関に戻る。スマホを取り出して社長にかけながら脱衣所に戻る。


「あ、社長ですか。黒峰さんが〝どうしても背中を流してくれ〟って言っているので許可をして頂けますか?」


  
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