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Sugar Box
第17章 今夜も黒バラを君に。 *後*
「ああ~うん。」
「では、社長しっかりと監視役を全うします!!」
グイグイと首根っこを掴んで後輩は、やる気を見せている。
「ああ、頼むな。」
「お任せをっ!!」
引きずられるような社長室を出た。
》》 *
「久しぶり。父さん、母さん。」
2人の墓は、ない。大好きな岬から散骨したからだ。
2人の思い出の場所は、自分の思い出の場所でもある。それは、3年前のあの日を思い出せるから。
忘れた訳ではない。しかし〝ベータ〟として生きて行くためには、仕方がないのだ。彼とは、同じ世界には住めないのだ。
「月瀬さま。」
「はい。」
「お電話が、フロントに入ってます。」
「判りました。」
岬の傍には、小さいがホテルがある。ここへ来るときは、いつも利用する。