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Sugar Box
第5章 黄色い水仙を抱き締めて * 前 *
「玲っ・・・お前は、俺と同じ気持ちじゃないのかッ!」
「・・・同じですよっ。知ってるでしょ?」
最近毎日毎日、必ずある押し問答。
「そう、かよ・・・・・・っ」
「黒峰さん・・・どうしちゃったんですか?」
最近の彼は、明らかに様子がおかしい。愛情を毎日確認してくるのだ。
「悪かった。もう、行く。」
「はい・・・行ってらっしゃい。」
離れて行く彼に手を伸ばそうとしたが出なかった。いつもより肩を落として出て行った彼が今日は、いやに気になった。
》 》
講義が終わって一息ついた頃スマホが、震えた。
「はい。」
「玲くん!いま、大丈夫かな?」
「はい。珍しいですね、氷さんが電話くれるなんて。」
「落ち着いて訊いて。」
「どうしたんですか・・・?」
いやに含みのある言い方が気に掛かる。