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Sugar Box
第5章  黄色い水仙を抱き締めて  * 前 *
  


 彼を待つ間、自分の中の感情と向き合った。長い1時間だった。


「処置が全て終わりました。」


 医師が先に出て来た。


「どうですか?」


 喋り出せない僕の代わりに氷さんが訊いてくれた。


「幸い内蔵の損傷は、軽度でした。脳も出血は、外部だけでしたし・・・心配ないでしょう。」


「そう、ですか・・・・・・」


「しかし目が覚めるまでは、安心出来ません。頭を強く売っていますから。」


「判りました。」


「目が覚めたら、読んでください。」


「判りました。」


 医師との話しは、全て氷さんがしてくれた。


「良かったね、玲くん。」


「はい・・・っ。」


 安心した。本当に大事に至らなくって安心した。


 》 》


 彼が眠ったままで3日。2日目には、彼の家族が来たので遠慮した。


  
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