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Sugar Box
第5章 黄色い水仙を抱き締めて * 前 *
先輩後輩のルームシェアだと説明していた手前パートナーとして居座る訳にもいかなかった。
「玲くん・・・」
「氷さん、どうしたんですか?」
彼の家族に遠慮してアパートに戻って2日後に氷さんが訪ねて来た。
「どうしてるか、気になって。」
「立ち話もなんですから、どうぞ。」
1人で寂しかった部屋に氷さんを上げた。誰かのために淹れるお茶は、温かい。
「病院へは?」
「ご家族が・・・居ますから。パートナーとは、名乗ってませんから・・・」
同性カップルの痛い処だ。しかし彼が無事ならそれでいい。
「なにかあったらすぐに知らせるんだよ。」
「大丈夫です。黒峰さんの目が覚めたら全部、大丈夫です。」
「そうだね。そうだ、そうだよ・・・玲くん。明日、一緒に行こうね。」
「はい、はいっ・・・」