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結螺(ゆら)めく夏
第2章 夏祭りの夜
龍次の部屋の前に立つ
忙しい龍次はきっと、いないだろう
そっと覗いて見るだけ……
それでも一応、念のために声を掛ける
「……龍次、いる?」
恐る恐るそう言いながら、障子戸に手を掛け、そっと引いた
……!!
部屋の中の光景が、目に飛び込む
想像していなかったそれに、僕は目を見開いて絶句した
裸になった龍次が、布団に組み敷いた遊男に本番行為をしていたのだ
「……出て行けっ!」
険しい顔付きに変わり、目尻のつり上がった瞳がこちらを睨む
怒鳴られた僕は、弾かれた様にそっと障子を閉めた