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結螺(ゆら)めく夏
第2章 夏祭りの夜


屏風で簡易的に空間を仕切っただけの、仄暗い大部屋
所々置かれた行灯から、ぼんやりと光が漏れる

あちこちで艶っぽい遊男の喘ぎ声と卑猥な音のする向こうで、夏祭りを楽しむ人達の騒がしい声が聞こえる



「……随分と淫乱だな」

仰向けになり畳んだ膝を広げた状態で、僕はその中心にある肉茎を、根元から先端に向かって執拗に舐め上げられていた

「……あぁぁ…、っ!ん…ん、…っ!」

そうされながら、後孔に二本の指を差し込まれ、グリグリと刺激されている


……ダメ、だめ…っ……!


この状況を、慣れた遊男なら事前に回避したり、感じずにやり過ごせたりするのだろう……


屏風の向こうから聞こえる喘ぎ声は、僕のとは違い、何処か余裕のある艶っぽさを孕んでいる
……なのに、僕は……


「……ゃ、やぁ……あぁあ…、っ!」


指が抜かれると、少し緩んだ其処に舌先がぐいと入れられる


「!!、あっ……ダメぇ…っ!……あぁあ!!」


脳天を突かれる様な強い刺激

悲鳴にも似たそれが耳障りだったのか、口に手拭いを乱暴に突っ込まれる


「……ん、…ふ、ぅうっ!…ぅん…、っ!!」


遊男は果てていけない
勿論、精液で相手を汚してもいけない


全身が熱くなり、ガクガクと震え
気がオカシクなりそうになる


……助けて……


キュッと強く閉じた目尻から、涙が零れる


その時ふと思い出したのは
新人の遊男を組み敷いた、龍次の姿……

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