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結螺(ゆら)めく夏
第2章 夏祭りの夜
「……ん、んぅ、っ!」
膝を抱え上げられ、男の怒張が解された孔に当てられた
「仕込み中、龍次は一滴も遊男のナカに精液を出しちゃいけないんだよ」
そう夕凪に耳打ちされる
「凄いよねぇ……
僕、感度良すぎるみたいで、龍次のでイキかけたんだけど、
龍次が上手い事対処してくれてさ……」
夕凪の言葉に、胸の奥が抉られる
最初から……感度なんか関係無かった……
……僕、だったから……?
いつも僕に嫌味言ったり、意地悪ばかりするのは
……僕の事、龍次は本当に………
閉じた瞼の奥から、涙が溢れ零れる
「……んぅーっ!……ぅ、うぅ……ん、っ!」
意思に反して漏れ出る喘ぎ
強引に男の肉棒が捩じ込まれると
それは一層大きく、悲鳴へと変わった
「……高ぇ銭払ってこれか!
声は煩ぇし、まるでド素人だな!!」
「………」
客は僕の体で何度もイッたし
僕も果てない様に、懸命に努めた
……なのに……
どうして……
夜も深まり、遊男は眠った客の隣に横になる
客が起きた時に直ぐ対応できるよう、遊男は眠ってはならない
だけど僕は、今夜もそんな事をする相手がいない……
……何で……
大部屋をそっと抜け出し、龍次の部屋へと足を忍ばせる
忙しい龍次の事だから、きっと部屋にはいない……
今なら金魚を見られる良い機会だ
そっと障子戸を引き、灯りのない部屋へと足を踏み入れる
窓から差し込む月光が、キラキラと金魚鉢の水面に揺れ、柔らかく光る
その中で泳ぐ琉金が……
「……え…」
僕の他に、もう一匹………赤と白と黒が混ざった、綺麗な長い尾鰭
それはまるで
いつも意地悪な事を言う、龍次に何処か似ていた
「………」
どうして……
青白く淡い光の中を
僕に見せ付けるかの様に
二匹が連れ添って泳ぐ
膝を抱え上げられ、男の怒張が解された孔に当てられた
「仕込み中、龍次は一滴も遊男のナカに精液を出しちゃいけないんだよ」
そう夕凪に耳打ちされる
「凄いよねぇ……
僕、感度良すぎるみたいで、龍次のでイキかけたんだけど、
龍次が上手い事対処してくれてさ……」
夕凪の言葉に、胸の奥が抉られる
最初から……感度なんか関係無かった……
……僕、だったから……?
いつも僕に嫌味言ったり、意地悪ばかりするのは
……僕の事、龍次は本当に………
閉じた瞼の奥から、涙が溢れ零れる
「……んぅーっ!……ぅ、うぅ……ん、っ!」
意思に反して漏れ出る喘ぎ
強引に男の肉棒が捩じ込まれると
それは一層大きく、悲鳴へと変わった
「……高ぇ銭払ってこれか!
声は煩ぇし、まるでド素人だな!!」
「………」
客は僕の体で何度もイッたし
僕も果てない様に、懸命に努めた
……なのに……
どうして……
夜も深まり、遊男は眠った客の隣に横になる
客が起きた時に直ぐ対応できるよう、遊男は眠ってはならない
だけど僕は、今夜もそんな事をする相手がいない……
……何で……
大部屋をそっと抜け出し、龍次の部屋へと足を忍ばせる
忙しい龍次の事だから、きっと部屋にはいない……
今なら金魚を見られる良い機会だ
そっと障子戸を引き、灯りのない部屋へと足を踏み入れる
窓から差し込む月光が、キラキラと金魚鉢の水面に揺れ、柔らかく光る
その中で泳ぐ琉金が……
「……え…」
僕の他に、もう一匹………赤と白と黒が混ざった、綺麗な長い尾鰭
それはまるで
いつも意地悪な事を言う、龍次に何処か似ていた
「………」
どうして……
青白く淡い光の中を
僕に見せ付けるかの様に
二匹が連れ添って泳ぐ