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愛里 ~義父と暮らす小学六年生~
第7章 体いっぱいの『気持ちいい』
 手招くと愛里は素直に自分の隣に座った。
 久しぶりに嗅ぐ愛里の匂いがふわっと広がる。風呂上がりのせいかシャンプーのいい香りが幸彦の鼻をくすぐった。

「久しぶりだね」
「うん」

 愛里の返事は小さく短い。目が潤んでいる。すぐ横に座っていると愛里の体温が伝わってくる。

 熱くなっているのは何も風呂上がりのせいだけではなさそうだ。

「セックスする?」
「…うん」

 二回目の「うん」は一回目のそれよりも、さらに小さかった。

 愛里の部屋着はもこもことした素材の足首まで隠れるワンピース。前面がファスナーになっていて引き手がふたつ。室温によって上からも下からもちょうどいいところまで開けるようになっている。

 色はピンク。愛里のような少女によく似合っていた。

 耳を澄ますとシャワーの音が聞こえてくる。綾香が入浴中だ。
 バスルームからここまでは、バスルームとサニタリー、それとリビングとみっつのドアを潜らなければならない。サニタリーのドアがしまった音で気付けるだろう。

 とはいえ、それほど多くの時間はなさそうだ。

 幸彦は愛里の肩を抱き寄せた。
 素直に引き寄せられた愛里の小さな額が肩にこつんとぶつかった。

 指先でそっと触れると愛里の顎が持ち上がる。薄い唇から温かい息が吹きかかった。
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