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愛里 ~義父と暮らす小学六年生~
第3章 ゴールデンウィーク。旅行二日目
 今日から泊る宿泊客は、特に変わった点もなくいつも通り。
 ゴールデンウィークになって忙しくはなったものの、仕事自体はいつも通りだ。

 キャンプ場の事務所で新堂はコーヒーを啜る。

 目の前のモニターには場内に設置された防犯カメラの映像が映されている。
 キャンプ場を死角なく映し、あとは各コテージの出入り口。こちらも特に異常はない。

 がちゃりとドアが開き、従業員の一人が顔を出す。

「お疲れさんです」
「ああ、どうも」
「何かありました?」
「いいや、何にも。でも人が多くて大忙しですわ」

 そう言って笑う男は白髪の目立つ年配の男。

 新堂はキャンプ場の従業員を地域のシルバー人材センターから派遣してもらっていた。
 その方が金額が安く済む。地域の老人に仕事を与えている、という立場は自然と新堂の発言力も強くする。

 それに何より、老人達のほうが新堂の隠された趣味に気付く可能性が低い。

 新堂の趣味。それはキャンプ場を訪れる若い女性客を抱くことだった。

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