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愛里 ~義父と暮らす小学六年生~
第3章 ゴールデンウィーク。旅行二日目
「実はね、愛里ちゃんがここにいるのは、このカメラで見えちゃってたんだよね」
「え?」
新堂が指し示す先にある防犯カメラに愛里ははじめて気付いたようだ。
「それでどうしたのかなって思って来てみたんだ」
「あ…すいません」
「お父さん達はもう寝てるの?」
一瞬顔を曇らせてから「はい」と愛里が答えた。
つまり、ここには来ないし、愛里がここにいることも知らない。
そういうことだ。
「うん…あれ?」
わざとらしく新堂が首をかしげる。カメラに繋がる配線を無意味に摘みあげた。
「どうしたんですか?」
「うん、ちょっとここの接続がね…おかしいな」
修理をするふりをしながらポケットからスマホを取り出す。メモリーの中から事務所の電話番号を呼び出した。すぐに宿直の老人が出た。
「ああ、もしもし。私ですが。はい、ええ。この接続がちょっと調子悪いみたいですね。電気のトラブルがあったら怖いので配線を抜いておきますので、画面が消えると思いますが、そういう事情ですので。修理は明日、私が手配しておきます」
新堂は宿直にそう告げると、防犯カメラの電源ケーブルを抜いた。
何もおかしなところはない。どこもいたって正常だ。故障などしていない。
新堂の嘘だった。これからすることを防犯カメラに見せないための。
これからここで犯す。
そう決めた。
「え?」
新堂が指し示す先にある防犯カメラに愛里ははじめて気付いたようだ。
「それでどうしたのかなって思って来てみたんだ」
「あ…すいません」
「お父さん達はもう寝てるの?」
一瞬顔を曇らせてから「はい」と愛里が答えた。
つまり、ここには来ないし、愛里がここにいることも知らない。
そういうことだ。
「うん…あれ?」
わざとらしく新堂が首をかしげる。カメラに繋がる配線を無意味に摘みあげた。
「どうしたんですか?」
「うん、ちょっとここの接続がね…おかしいな」
修理をするふりをしながらポケットからスマホを取り出す。メモリーの中から事務所の電話番号を呼び出した。すぐに宿直の老人が出た。
「ああ、もしもし。私ですが。はい、ええ。この接続がちょっと調子悪いみたいですね。電気のトラブルがあったら怖いので配線を抜いておきますので、画面が消えると思いますが、そういう事情ですので。修理は明日、私が手配しておきます」
新堂は宿直にそう告げると、防犯カメラの電源ケーブルを抜いた。
何もおかしなところはない。どこもいたって正常だ。故障などしていない。
新堂の嘘だった。これからすることを防犯カメラに見せないための。
これからここで犯す。
そう決めた。