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姦譎の華
第15章 15
「なつかしいな……、パフパフができる日が来るなんて、思ってもみなかったぜ。へへ……パフ、パフ、っと……」

 存分に頬ずりをし、わけのわからないことを言った島尾はその場に立ち上がった。

(うっ……!)

 前窓のスライダーが下ろされ、漲り切った肉茎が目を汚すより先に鼻腔を侵してくる。入浴という習慣を知らないのかと疑ぐりたくなるほど、切れ上がる亀頭の縁からは色と見えそうな汚臭が漂っていた。

「ンーッ!!」

 しかもあろうことか、その先端が近づいてくる。

 あらんかぎり首を回して唇を背けるが、熱気に頬を舐められた。粘液でヌラつく亀頭に1センチを切るまで踏み込まれると、窒息させんばかりの濃臭に包まれて、逃れる先はどこにもない。

「……残念だったな」
 しかし島尾は、口のテープには手をかけず、「美人秘書様のフェラテクを披露してほしいとこなんだけどな。血まみれにされるのはごめんだぜ」

 ダンボールごと下肢を跨ぎ、先端を降下させ始めた。喉を過ぎ、襟元のリボンの結び目から袷を辿って胸下の位置でようやく止まる。臭いは薄まったが、とても安心できる状況ではなかった。バストの両側を支え、ガニ股に構えている男の前で両腕を括られていては、何をする気か察しても、どうすることもできない。

「おほっ……、す、すげえな、こりゃ」

 肌という肌が総毛立つ。
 フライフロントから肉茎が侵入してきて、鳩尾をヌチュリと舐められた。

 拘束されているとはいえ、こんな恥辱を強いられて無抵抗でいられる女なんていないだろう。

「じっとしてろよ……イカくせえカラダにされたくないだろ。あんまり刺激が強いと、お洋服が大変なことになっちまうぜ?」

 しかしそんな警告をされては、何としてでも上躯を固めないわけにはいかなかった。
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