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姦譎の華
第18章 18
 出る──どちらが出るのかわからなかった。女子生徒が下腹を踏みつけてくると、己の放尿が顔面を叩いた。飛び退いた女たちの面白がる悲鳴を聞きながら垂れ流し、チョロッ、チョロッと最後の間歇を迎えると、次の瞬間、同じ噴射口から白いしぶきも弾け散った──

(うお……)

 マットレスに転がるペットボトルには、倉庫で採取し、カウンターでお茶を飲むフリを見せつけてやった、あの日自分がぶちまけたものと同じ、澱の底淀む薄飴色の液体が詰まっている。

 どんなに美しい女性であっても、排泄をする。そんなこと、ドヤ顔で言われなくたって、よくわかっている。崇めてきた人の堕落に触れ、失望しまったわけではない。今でも脚を、下着を、どこでも、どこまでも、しゃぶり回したいと思っている。

 ただし、その渇望の源は、敬虔さとはまるで異なるものになってしまった。

 何年経っても、難癖をつけて絡んできた上級生より、一緒になって踏みつけてきた女子たちへ恨みの方が強かった。男の暴力は最低だと嘯くことはできても、自分を馬鹿にしたあの女たちを思い出すと、殴り、蹴り、踏みつけてやりたい気持ちは、絶えず懐裡に蔓延っていた。

 しかし、女を懲らしめるのなら、もっといい方法があったのだ。

 気品に満ちた秘書の、恥ずかしい匂いの染み込んだ下着を嗅ぎ、舐め尽くす。誰もが賞賛せずにはいられない美脚を、肉槌をしごくための道具として使う。拒絶は許さない。この至高のカラダを我が物にして、苦渋を強いられてきた全てを、取り戻してやるのだ。

「倉庫には拭くものなんかなかったですからね。パンツスーツのアソコもちょっとニオってましたよ。よかったじゃないですか、舐めて拭いてもらえて」
「い……いや……」
「ほら聞こえてますか、あの音。どれだけお汁漏らしてるんですか。オシッコと変わらないくらい漏らしてるんじゃないですか?」
「おねがい、言わ……、やっ、もうっ……!」
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