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姦譎の華
第20章 20
もはやまともな会話は不能で、男の頭の中では、こちらの学年のみならず全く自分勝手なシチュエーションが展開しているようだった。自分勝手に喋り、自分勝手に仰け反ったあげく、自分勝手に、果てていく。
だがどう見ても、ピュウッ、と言ったほどには飛ばなかった。男は少しでも遠くに飛ばそうと、幹を撓らせて亀頭を頻りに揺さぶったが、白濁は少し舞っただけで足元へポタポタと落ちていた。
(う……)
デニムのスカートを履いてきてよかった。
太ももに巻き込んだ裾をふくらはぎで挟む内側で、気色悪いほど下着がヌメっている。むろん、男の自慰、射精に欲情したわけではない。
(──おい、やっぱりその金返せっ、おいって! 聞こえてるんだろっ、ブスッ!)
参考書代に一万円、可愛い服に一万円。母は、ぽんぽんと金を受け取っていた娘が、気に入らなかった。
というよりも、嫉妬していた。
母の目には、額面の数字、イコール慈しみの深さに見えているのかもしれない。だからしばらく装を密めていた不安に、圧し潰されそうになったのだろう。
しかし生憎だった。
オッサンが金をくれた理由は……昨日に限っては、母への愛情でも、血の繋がっていない子供への愛情でもなかったのだ。
「はあっ……、ああ……、多英ちゃん……、すごく出ちゃった……。で、でも、俺はま、まだ大丈夫だし、これからホテルでもっと……え、ちょっ」
男が現実世界に戻ってくる前に、サッと立ち上がって階段を駆け降りた。
男の射精は、大して飛ばなかった。量もそこそこ。そもそもカチカチというほどではなかったし、イチモツとやらも、本人が言うほどには大きくは見えなかった。疑問の正体がわかれば、もうここに用はない。
だがどう見ても、ピュウッ、と言ったほどには飛ばなかった。男は少しでも遠くに飛ばそうと、幹を撓らせて亀頭を頻りに揺さぶったが、白濁は少し舞っただけで足元へポタポタと落ちていた。
(う……)
デニムのスカートを履いてきてよかった。
太ももに巻き込んだ裾をふくらはぎで挟む内側で、気色悪いほど下着がヌメっている。むろん、男の自慰、射精に欲情したわけではない。
(──おい、やっぱりその金返せっ、おいって! 聞こえてるんだろっ、ブスッ!)
参考書代に一万円、可愛い服に一万円。母は、ぽんぽんと金を受け取っていた娘が、気に入らなかった。
というよりも、嫉妬していた。
母の目には、額面の数字、イコール慈しみの深さに見えているのかもしれない。だからしばらく装を密めていた不安に、圧し潰されそうになったのだろう。
しかし生憎だった。
オッサンが金をくれた理由は……昨日に限っては、母への愛情でも、血の繋がっていない子供への愛情でもなかったのだ。
「はあっ……、ああ……、多英ちゃん……、すごく出ちゃった……。で、でも、俺はま、まだ大丈夫だし、これからホテルでもっと……え、ちょっ」
男が現実世界に戻ってくる前に、サッと立ち上がって階段を駆け降りた。
男の射精は、大して飛ばなかった。量もそこそこ。そもそもカチカチというほどではなかったし、イチモツとやらも、本人が言うほどには大きくは見えなかった。疑問の正体がわかれば、もうここに用はない。