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姦譎の華
第21章 21
 いや──もう「姦された」と言うのは、適当ではないのかもしれなかった。

 毎夜、観客がいるとわかっているのに裸となり、島尾のような男から熱烈な愛撫を受けて絶頂を迎え、稲田のような男から低劣な戯弄を受けて性悦を極めた。羞恥が二の足を踏ませるのは最初だけ、二日目、三日目と、回を追うごとに、隠忍する時間が短まっていることは、多英自身も自覚ができていた。

 こんなことをしていたら、取り返しのつかないことになる。

「……ある意味コスプレだよなぁ、人妻コスプレ。こんな変装するんならよぉ、今日もハプバーに行ったらよかったぜ。廃れたとこじゃなく有名どころで人がうじゃうじゃいるとこ。そしたらもっと大勢の前でヤッてやれたのに……もしかして、多英もそれを期待してたんじゃないのかぁ?」

 そう、いくら閑古鳥の鳴く店だからといって、どこの誰が来ているか知れないのだから、自分の正体が露見してしまう惧れがあった。言うを俟たない危機感を抱いているのに、二人の手指に、唇に、舌に、穢らしい肉棒に蹂躙されると、貞節は脆くも崩れ去った。他の男たちが羨ましがる前で女を姦す優越感に味をしめた二人は、危険を顧みず今日もどこかの店に繰り出すつもりだと思っていたから、日が高いうちから呼び出されたのが、このセミスイートだったことは意外だった。

「そんなこと、思うわけないじゃない……」
「ま、休みだし、病院に寄ってから来んなら、そんなシャキッとしたスーツなんかは着ないか」
「そ、そうね……、……うっ!」
「なら、このパンティはいつから履いてるんだ?」

 両脚を床に下ろした稲田が、不躾にスカートに手を突っ込み、ショーツをヒップに滑らせ始める。

「……あ、朝、からよ」

 はぐらかしたところで、しつこく問い詰めてくることはわかっている。真実を逸らさずそのまま伝えると、

「へえ、じゃあ病院でもずっとニオイを染み込ませてきたパンティってわけだ」
「え、ええ。そういうことに、なるわね」
「にしちゃ、今までで一番のお宝パンティだぞぉ? 後ろのほうまですんごいシミだ。こんなの見せられたらナースがびっくりしてたろ?」

 ことさらおどけた口調でからかわれる。心得ていた通りの下着への執着ぶりなのだから、落ち着いた応対ができるはずだった。
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