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姦譎の華
第21章 21
 指が引き抜かれていく。
 牝枠を一層広げ、二本になって戻ってくる。

「え……、……やっ……ああっ!!」

 指それぞれが回転するなんて、ありえない。

 一緒になって挿ってきていたのは、イカせてやると聞いて割り込んできた島尾の指だった。こんなところまで、二人で分け合ってきたのだ。二本の指はお互いを気遣うことなく、絶頂へ導くのはこの俺だと、先を競って牝の中身を掻き回す。

「声も音もすっごいな。イッたらすぐにヤッてやるから安心してイケよ」
「あっ……、す、すぐ……? うんっ……」
「ああ、イキマ×コに、この稲田様が思いっきりぶちこんでやるからよぉ」

 連日の交接を思い出した媚肉が、二本の指を締め付けた。その日最初に繋がるのは交互と申し合わせているらしく、今日は稲田の番だった。だからせめて最初の絶頂は己が手で成し遂げたいのか、よりいじきたなく掻き回してくるのは島尾の指だった。天井にある敏しいポイントを陣取り、集中的に押し込んでくる。稲田は稲田で、これから肉槌で打突する秘室のたもとを均らすかのように圧し撫でる。

「あっ……、それ、やっ……、だめ、イ、イく……」

 明らかに、二人いなければできない弄り方だった。脚の付け根で派手に飛沫が散る。それを恥じる間もなく、法悦が全身を包み込み始め、

「イッ……ちゃうっ!!」

 あとは膝が、股関節が、腰椎がわななくに任せ、断続的に訪れる炸発に身をのたうたせるだけだった。高波があり、揺り戻しがあり、次第に波高が収まり、最後は凪いだ水面へと落ち着く──のを、優しく見守ってくれるような獣たちではなかった。

「そらっ、這えよっ、スケベ秘書がっ!」

 まだ余韻の段階にすら進んでいないというのに、稲田はソファから多英を引き起こし、部屋の真ん中へと突き飛ばした。

「う……、あっ……」
「ケツ上げろっ、なんだそのスカートはっ、とっとと捲くれ!」
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