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姦譎の華
第21章 21
 今日はマットレスではなく、固いカーペット敷、しかも土足だ。
 しかし多英は痺れる体を叱咤して、地に顔を付いたまま、落ちてしまったスカートをヒップの上までたくし上げた。

 もう自分は、世間が羨む才華の女なんかではなくなった。
 二匹の牡に喰い散らかされる一匹の牝、憐れな肉餌だ──

「い、稲田様のオチ×ポくださいって言えっ!」
「稲田様、の……、オチ、ン、……チンを、く、ください……」
「オチ×ポだ、勝手に変えるなっ。オチ×ポを、美人すぎる秘書のスケベマ×コにぶちこんでください、だっ!」

 こだわるな。早くしてほしい。
 このどうしようもない肉叢に渦巻く淫熱が、冷めてしまう前に。

 力を振り絞って腕をつく。天地逆の視界に、歩を詰めてくる稲田の足が見えた。濡れそぼったショーツを被る牡に、後ろから姦されようとしている。前からもカーペットに擦れる足音が聞こえた。見守る番のはずの島尾だが、今日は別の牡に姦されている最中でも、気色悪い求愛を吐きながら唇を貪ろうとでもいうのだろう。

「多英の……」
 前後から穢される牝を想像することで、『美人すぎる秘書』なんていう馬鹿げた肩書は、頭の中からかなぐり捨てることができた。「多英の……、スケベすぎる、オ、オマ、×コに……、オチ×ポ、ぶちこんでくださいっ……、……はやくっ!」









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