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姦譎の華
第23章 23
 まだ侵入されて間もないのに、縄面に密するそこかしこにムズムズとした疼きが広がっていた。擽ったい、そんな生やさしいものではなく、ヌメリに触れれば触れるほど、粘膜から染み込んだ成分は毛細血管へと浸透し、熱く融かすような感覚を襞肉の内側から沸き立たせる。

「な、なに……これ……」
「なんか昔使われてたものらしいですよ。ヌルヌルしたのが手についちゃったら痒くてヤバいんで、直接持たないほうがいいらしいんです」
「そ、そんなもの……、を……うあぁっ!」

 愛紗実が持ち手をグリッと捻るや、腰が飛び上がった。あまりにもはしたない腰の動きに、驚いた男たちは脚から手を外し、愛紗実もまた、そのまま柄を手離した。

 わずかな時間でも、腰をじっとさせていられなくなるほどの狂おしい掻痒が牝域いっぱいに蔓延った。三人が見ている前で、異物の突き刺さった牝丘は、何とか煩悶を逃がそうと幾度となく柄尻を振り上げる。締めつければ編み目から新たなヌメリが滲み出てくるのはわかっているのに、四肢を繋がれた恰好では腰しか動かすとこはできないし、動かさずにはいられない。

「抜いて……、はっ、あ……、ぬ、抜いてっ……」
「えー、もうすこし楽しみましょうよぉ」
「い……、いやっ、早く抜いてってばっ、……ねぇっ早くっ、あなたたちっ!」

 願い出るあいだにも加速度的に高まる煩熱で、品なんかに構ってはいられなくなった。腰を跳ね上げつつ懇願するが、やはり、二人の目はどちらとも合わない。繋縛された両側に正座をし、縄具が突き出す場所を凝視している。

「そいつらに言っても無駄ですよ」

 ベットを降りてチェアへと戻った愛紗実は、新たな煙草を咥えた。

「え……? ……んんっ……」
「昨日ハプバー出て華村さんと別れたあと、こいつら何してたと思います? ファミレスで次どこで華村さんとヤるのか作戦会議……ってキモすぎません? そこに登場してやったんです。バーで見たこと伝えて、会社にバラされたらアウトですよー、ていうか公然猥褻、ひょっとしたらキョーカツ、ゴーカンですよーって脅してやったら、簡っ単に、ぜーんぶ吐いてくれました」

 島尾も稲田も、何も言わなかった。ただただ、異物に悩まされる牝唇へと魅入っていた。
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