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姦譎の華
第24章 24
 社長秘書を外されたことは、愛紗実にとっては濯ぎがたい屈辱だった。役を外されただけならまだいい。やがてこの女がやってきてポストに収まり、狙っていた主任の地位までも横取りしていった。こいつ目当てに雑誌の取材まで来るし、この間の内覧会の表敬だけではない、訪問先のエロオヤジたちから、「あれ、今日華村さんは?」と何度訊かれたか知れない。

 ましてや──

「うっ、……あ……」
「おらっ、喘いでばっかいないで何とか言ってみろっ!!」

 怒りが再燃してきた愛紗実は、衝動的に脚を組み替えて、利き足で強く踏み込んだ。

「あああっ!!」
「うっぷ……」

 股ぐらへ群がる二人の顔面に向け、何か散ったようだ。

「ふん……」

 高雅を賛じ奉られる主任秘書が不様に噴水させてしまったポイントを見つけたからといって、立て続けにそこを攻めるなんてことはしない。もし、女に飢えた隷奴たちに任せたとしたら、嬉々としてイジりたいだけイジり、達してしまっても後悔どころか「してやったり」とすら思ったことだろう。そんなことでは一人の人間を屈服させるなんてできはしないのだ。化けの皮を最後の一枚まで剥ぎ取ってやらなければ気が済まない。

 だからその後はゆるゆると、抉ってやった十分の一ほどの圧で小突いて待っていると、

「ああ……、もう……、ゆるして。……お、おかしく……なる……」

 ついに、鼻持ちならなかった上職の女は、部下に向かって息絶え絶えに許しを乞うてきた。

「華村さーん、何回言わせるんですか。反省するんですかぁ?」
「します……、し、します……、から……もう……」
「二回も言われたら、本気で言っているようには聞こえませんね」

 反省するかと問われ、すると即答したなら、心の底から反省しているわけがない。

「チビ、どけ。……ブタ、ソイツも抜いてしまえ」
「やっ、……そんなっ……」

 稲田の後頭部から足を外す。ブーツを片足ずつ脱ぎながら見ていると、島尾の引く縄棒の瘤が花弁を裏返してくぐり抜けても、閉じ切らぬ洞口は攣縮し、去りおおせた張形を惜しんでいた。

「イヤーン、そんなあっ、て、こんなオモチャで反省しようとしてたんですか? 大丈夫ですよ。華村さんが好きそうな、もっといいモノがありますから」
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