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姦譎の華
第24章 24
 愛紗実は立ち上がり、ブラックスキニーも脱いでいった。オッサンたちの目があっても気にはならない。コイツらは、ただのクズ、汚らしい獣だ。

 この部屋にいるうち、真っ当な人間は、自分だけ、なのだ──

(ふう……)

 脱いでも暑かった。安ホテルとは違って空調が行き届いた部屋のはずだが、タンクトップにスポーツショーツ姿になっても、芯から噴き出る熱が抑えられなかった。

 特に、下着の内側だ。

 歩くとなおさら、夥しく濡れているのがわかる。黒の下着は色変わりがわかりづらくはあるが、日頃からヒップアップに努めているのが災いして、脇から雫が漏れ出ているかもしれなかった。隅に置いていたナップサックからダミーレザーのショートパンツを取り出し、脚を通してこれを隠す。下肢に食い込むほどに引き上げ、容易にはズレないよう、しっかりと腰のベルトを括った。

 振り返ると、多英が目を瞠いた。

 愛紗実の股間からは、縄の性具よりもずっと精巧に象られた、黒光りするディルドが突き出ていた。臍の上まで届く先端をネイルで突つき、嵌まり具合を確かめながら、

「……やりにくいから脚、緩めちゃって」
 ベットへ戻り、膝立ちで脚の間をにじっていく。太ももの下へ膝頭を割り込ませたが、「股もっと開かせてよ。あんたたちもコレが挿ってくとこ見たいでしょ? 手も緩めて起こしてあげよっか。華村さんだって見たいでしょうし」

 そう命じると、呆気にとられていた島尾が両膝をつかんで股関節を最大にまで割り、稲田は背後に体を入れて上体を起こさせた。

「……コレね、いつも変態男のお尻の穴ほじるのに使ってあげてるヤツなんです。あ、勘違いされたら困るんですけど、さっきのお土産も、変態が自分のお尻に突っ込んで欲しくって渡してきたヤツですから。あんなのツッコまれて喜ぶ女なんて、ただの淫乱だけですもん」

 牝丘に影を落としていた偶像の根元を倒し、亀裂から溢れていた痒液を異常に張った頭に馴染ませていく。
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