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姦譎の華
第24章 24
「い、いや……」
「コレもちゃんと洗ってくれてる、はず、なんだけど、変なビョーキになっちゃったらごめんなさい。でも淫乱なんて、イケさえすれば何でもいいんですよね?」
「おね……、やめ……、……や……」

 カチカチと歯を鳴らして首を打ち振り、否みすらうまく言えない顔を正面から見据えたまま、

「じゃ、いきますよ、華村さん」
「やっ……、……んああぁっ!!」

 みちみちと、下腹を切り裂いていった。

(うんっ、あっ……)

 偽の竿である。神経とは一切繋がっていない。

 しかし仰け反った長身の奥深くまでディルドを沈めると、幹胴を伝わってくる痙攣に愛紗実の性感もまた著しく刺激されていた。一歩外へ出ればやたらマウントを取りたがる下らない男たちの糞門を穿ち、ヨガり回らせているときよりも数段峻烈だった。

(くっ……)

 昨晩、覗き窓の向こうで二人の獣に代わる代わる姦されていた女は、目を逸らそうにもできないほどの、圧倒的な眩耀に満ちていた。他のギャラリーたちは鼻血寸前の形相で魅了され、一緒に入った男の子ときたら、ズボンを履いたままで爆発してしまっていた。

 情けない連中だ。
 これまでなら、一笑に伏していたところだった。

 だが、自分もまた、窓の向こうの光景に呑まれていた。

 認めざるをえなかった。ショーツの中はかつてないほどのぬかるみとなっており、隣の男の子にも他の客にも、誰にも気づかせたくはなく、頬杖をついた素っ気ないポーズを崩さないようにするのが精一杯だった。

 ディルドを繋げたまま身じろがずにいると、観覧席以上に身体が擾乱している。このまま続けたらどうなってしまうのか、自分自身でもよくわからない。

(くっそ……)

 女を見下ろした。

 それでも、お前なんかとは格が違うのだ──

 卑しい性具に貫かれていながら、叛意を込めて反駁してきているように思えた。

 許しがたい、何もかも。
 激憤と昂奮が、同義となっている。

 愛紗実は潤いやまぬ股ぐらを叱咤するかのようにヒップを引き締め、ディルドを引いていった。









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