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姦譎の華
第25章 25
 進学校なんて勉強ばかりしている子しかいない。自分のことは棚に上げて勝手に想像していたが、入ってみれば皆が躍起になって勉強に没頭するわけではなく、かといって、学生の本分をおろそかにして遊び呆けるわけでもなく、全くもって長閑な校風だった。入学初日は中学の時と同じ、どうやら優等さは高校生になっても色褪せてはいないとわかった直後の実力テスト、学年一位になったら上級生に声をかけられた。生徒会長だった。

 この学校には、学年トップは生徒会に入る習わしがあるんだ。

 そんな悪習、今すぐやめてしまえと思ったが、家の都合があるし部活もやっていないので、と、まずは当たり障りのない理由で謝絶してみた。しかし彼はなかなか諦めてくれず、ブラウスのふくらみや短くしたスカートから出した脚をチラチラと見てくるから、視姦したいから粘っているのかなぁと訝しみ難色を示していると、「生徒会をやっておくと大学推薦にものすごく有利なんだ」と言われ、思わず詳しく話を聞いてしまったのが運のツキだった。

 会に入った翌月には彼が告白してきた。受験を控えた大事な年のはずだが、やはり一生に一度しかない青春とやらを、どうしても謳歌したいらしかった。いや、こうした状況になっていることを鑑みると、そこまで淡い想いなんかではなく、ただ女の子の股間を舐めたいから告白してきただけなのかもしれない。

 蝉の声を聞きながら、そんなの失礼な話だな、と回顧していたら、

「は、華村……」

 彼が突然起き上がり、ベッドへ這い上がってきた。這い上がるだけならまだしも、いつの間にかデニムが下されていた。下されるだけならまだしも、完全に上を向いた牡の杭がニュッと突き出ている。

「い、いいよな?」
「……は?」

 ありえない光景に、ありえないくらい怪訝な顔をしたと思う。

 彼にしてみれば、初キスを達成したそのままの流れで、胸を触らせてもらったし、服を脱がしたし、アソコも見た。舐めさせてももらった。よろしいかと問うまでもなく、最後までできて当然だと考えたことだろう。

「あの先輩……まだぜんぜん、です」

 しかし自分でも驚くほど、身はカラカラだった。股ぐらに帯びた水分は、全て彼の唾液だ。
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