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姦譎の華
第25章 25
「親子だといっても……、裸になっていいわけがないだろ」
「そうだよね。オジサン、親なんかじゃないもんね」

 冷たい言葉に黙りこくったオッサンの両肩に手を置き、膝の上へと跨った。オッサンはわずかに突き離す仕草を見せたが、耐荷重を超えたチェアが苦しげに喘いだら、逆に、不安定な腰を支えてくれた。

(ン……)

 両手が背肌に触れただけで、開いた脚の奥が疼いた。小声で、降りなさい、と言われたから、首に腕を巡らせ、ワイシャツに胸が潰れるほど抱きついた。裸になられた時点で、逃げ出さなかったオッサンが悪いのだ。

「別に、親子じゃなくてもパパって呼ぶじゃん。愛人さんとか」
「なんだそれは。どこでそんなことを……」
「社長秘書にしてもらうために大人のセカイを勉強してるの。秘書って、だいたいは社長の愛人でしょ?」
「だからなんなんだ、その間違った知識は。わけのわからないことを言うな」
「AVなんかでもみんなそうじゃん。……秘書はカラダを使って、御主人様のことを悦ばせるの」

 気まぐれに、蝉の声が止んだ。外からの雑音も聞こえない。

 オッサンの息遣いは聞こえた。自分のものも。
 ギ、ギ、と、チェアが軋むに合わせ。

 跨ったまま、スーツだろうが関係なく、肉杭へ向け股の中心を押し付けた。ブランコを漕ぐのと同じ要領で動くと、中でみるみると大きくなって秘裂を割られる。

「……ごめんね」
 蕩けそうな圧迫を味わいつつ、「高校に行かせてもらってるのに、食べものも、着るものも、家も、全部オジサンが買ってくれてるのに。あんなヤツにヤラれそうになって」
「だから、そんな言い方は、やめなさい……」
「私はオジサンのモノなのにね。ん、やっ……、オジサンの、すごい当たる」

 愛人の娘から囁かれたオッサンが苦しげに呻いた。グイッと強めに押し付けてみると、こちらの蕊先もジッパーの硬みに弾かれる。

「あぁ……、オジサン、きもちいいよ、すごく」
「やめなさい、たーた……」
「その名前やめて、……てずっと言ってるのに。でももういいや。オジサンだけはいい。私はオジサンのモノなんだから、オジサンがどう呼ぼうが勝手だもんね」
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