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姦譎の華
第27章 27
 スッと、視界に何かが映り込んだ。

 傍らから、島尾が肉茎を差し出してきたのだった。片手で引き寄せ、横笛を吹くように口をつけると、天板を舐め終えた稲田が肌をヒリつかせている内ももをも丁寧に舐めとりにかかった。

「……ほんっとやめて。あんたらめっちゃキモいんだけど。吐きそう」

 命令をわざと曲解して行った食穢と放尿は、愛紗実の抱いていた虐意を見事上回れたようで、彼女は嘔気に苛まれて賎しむことしかできずにいる。どうやら彼女は脅迫による最初の陵辱が、この部屋で行われたことを知らなかったようだ。だから会社に戻るよう命じられたとき、必ず島尾と稲田を使って、オフィス内で恥辱を味わせようとしてくるにちがいないと読んでいた。

 しかし生憎、十分に耐性がついた場所だった。隠してきた過去を暴いた二人は、ここで夜通し、通常ならば味わうことができないこの体を貪れるだけ貪った。

 おそらくは、劣情をいつでも自由に満たすことができる肉人形として、会社の顔である『美人すぎる秘書』を飼い殺しにしていくつもりだったにちがいない。

 多英は横向きに咥えていた肉茎を唇から外し、胸元へと導いた。抱えるようにしてふくらみへ圧しつけ、ゆっくりと円を描いてやる。ブラウス越しに脈動が伝わり、手のひらに新たなヌメリが広がるが、構わず肉果へと沈ませた。ちょうど股下に置かれていた足に、緊縮している稲田の皺袋が触れた。甲にポタポタと落ちていた雫を袋の表面に塗り戻し、差し込んだ親指と四指のあいだに肉槌の根元を挟むと、今度は脛にまでしぶきが飛んでくる。

「た、多英っ、おお……、たのむっ、パイズリ……、パイズリしてくれえっ!」
「うっく……足でシコってくれ……、いや、くださいっ。もっと脚コキしてくださいっ、おねがいしますっ……」

 だが、すぐに思惑はそれぞれに変容した。島尾は恋人になりたがり、稲田は御主人様になりたがった。かといって、二人とも相手を退けて独占するまでの気概はなく、お互いを牽制しつつも、常に目の前の色欲を優先した。だからこそ愛紗実に気づかれてしまうと、あっさりと彼女の支配下に降ったのだ。
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