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姦譎の華
第30章 30

呆然とする店員を残して店を出ると、轟々と吹く風に、お前は何をやってるんだ、と厳しく罵られた。せっかく助けを呼ぶチャンスを、自らの手で無為にしてしまったのだ。理由は、牝器が狂おしいほどの淫熱で蜜を垂れ流しているから──
「お待たせー。ごめんね、コイツがグズでさー。ったく、店ん中で興奮してやんの。ほんと、手つけらんない変態だわ」
「デート」が再開されると、間を置かずして車線の多い大通りに出た。人工島の真ん中を貫く道路は大型車が何台も行き来しており、コンビニほどではないにしても、街灯が増やされて明るい。
立ち止まった愛紗実が横顔だけを振り返らせる。
「ねぇ、この変態女のコート、脱がせちゃって」
「えっ……」
「し、しかし……」
「いいからやれよ。……お前らさ、何のためにここにいるんだっけ?」
多英よりも隷奴たちのほうが怯んでお互いを見合ったが、声のトーンが低くなると、慌てて襟合わせに手をかけてくる。
「ングッ……、……っ、やあっ……!!」
後ろに手を結んでいたから、コートはスルリと肩から外れた。咥えていたペットボトルを地面に落とす時間のぶん、悲鳴も遅れた。
「あっ!」
男の子が大きな声を上げる。
多英は下着だけしかつけていなかった。
応接室からの去り際、愛紗実に命じられた男たちによって無理やり着せられた下着は、まだ裸のほうが良かったと思える代物だった。
アウトラインこそビキニと同じだが、肝心の部分には穴が空いており、豊かなバストが根元から絞られて突き出ている。ショーツも今時ありえない角度がつけられており、前布がU字型に極限まで小さく、かつ、全てがゴム製、肉肌にみっちりと食い込んでいる。
滑稽に堕しておかしくはない衣装だったが、バストは地面には引き寄せられることなく大胆に前へとせり出し、ゴム地に包まれた下腹のふくらみは、腰からの切れ込みと長い脚によって、曲面をより蠱惑的に強調していた。コンビニ店員に袷から覗かれただけでも叫びたいほどだったのに、道路沿いで野ざらしにされた身肌を舐める外気が、自愛の意力を根こそぎ奪い取っていく。
「お待たせー。ごめんね、コイツがグズでさー。ったく、店ん中で興奮してやんの。ほんと、手つけらんない変態だわ」
「デート」が再開されると、間を置かずして車線の多い大通りに出た。人工島の真ん中を貫く道路は大型車が何台も行き来しており、コンビニほどではないにしても、街灯が増やされて明るい。
立ち止まった愛紗実が横顔だけを振り返らせる。
「ねぇ、この変態女のコート、脱がせちゃって」
「えっ……」
「し、しかし……」
「いいからやれよ。……お前らさ、何のためにここにいるんだっけ?」
多英よりも隷奴たちのほうが怯んでお互いを見合ったが、声のトーンが低くなると、慌てて襟合わせに手をかけてくる。
「ングッ……、……っ、やあっ……!!」
後ろに手を結んでいたから、コートはスルリと肩から外れた。咥えていたペットボトルを地面に落とす時間のぶん、悲鳴も遅れた。
「あっ!」
男の子が大きな声を上げる。
多英は下着だけしかつけていなかった。
応接室からの去り際、愛紗実に命じられた男たちによって無理やり着せられた下着は、まだ裸のほうが良かったと思える代物だった。
アウトラインこそビキニと同じだが、肝心の部分には穴が空いており、豊かなバストが根元から絞られて突き出ている。ショーツも今時ありえない角度がつけられており、前布がU字型に極限まで小さく、かつ、全てがゴム製、肉肌にみっちりと食い込んでいる。
滑稽に堕しておかしくはない衣装だったが、バストは地面には引き寄せられることなく大胆に前へとせり出し、ゴム地に包まれた下腹のふくらみは、腰からの切れ込みと長い脚によって、曲面をより蠱惑的に強調していた。コンビニ店員に袷から覗かれただけでも叫びたいほどだったのに、道路沿いで野ざらしにされた身肌を舐める外気が、自愛の意力を根こそぎ奪い取っていく。

