この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
姦譎の華
第33章 33
「あれ、もう出ちゃった? ……。……うんうん、卒業おめでとー」

 おそらく愛紗実も内心は不満を残していたのだろうが、男の子がウエストにしがみついたまま脈動を終えると、軽く手を叩いて近づいてきた。

「す、すごく気持ちよかった……です。こ、こんなキレイな女の人と……初めてさせてもらえたなんて、最高ですぅ……」

(……そっか……)

 常軌を逸した現場から彼が逃げ出さずにいたのは、「させてもらえる」密約があったからだった。誰でもいい、異性の性器に、自分の性器を挿入してみたかったんです。言葉で聞かされなくとも、往来する肉幹の感触がそう露骨に伝えていた。同じ牡の形でありながら、島尾や稲田、ましてや愛紗実から受けた姦穿と比べると、全く別の行為だったとすら思えた。彼にとっての今の自分は、射精をさせてもらえる、ただの「キレイな女の人」なのだ。

 男の子の感想を聞いた愛紗実が、

「は? キレイな人って、……誰のこと?」
「え、いや……、ちがうんです。その、えっと、あ、愛紗実さんと比べるわけではなく……」
「あはっ……!」

 男の子が穏当な表現を見つけるのを待ち切れずにふき出し、愛紗実は今度はひとつ、大きく手を打ち鳴らした。あまりに場違いな可笑がりように、硬度の衰えた肉杭が抜け出ていく。

「どうしたん、ですか……?」
「ふうっ……はあ、……んもー、やっぱりみんな騙されちゃう。しっかりしてよミツル君。よく見てよ、ブスでしょ?」
「でもそれは……こんなの顔に付けられてたら、誰だって……」
「ちがうちがう。これ取ったってブスなもんはブスなの。ミツルくんだってほんとはさー、私よりもこのババアのこと、キレイなヒトだなー、とか思ってるんでしょ?」
「い、いいえっ、だから、女性のことを顔で……」
「いーのいーの、男なんてみんなそんなもん。バカだからね。そんなバカに媚びようとしてるブスなんか、私の足元にも及ばないっての」

 愛紗実は男の子を諭しているというよりも、衆生の全てに同意を求めるかのように、強風へ向けて高らかに吐き捨てていた。紆曲する松の枝間を、飛行機が飛んでいく。現実を知らしめる吐音を聞きながら、多英は芝生に膝をついた。

 美しくなければ、意味がない──

 まだ、男の子の放った白濁が流れ出ていたが、多英は自らリングギャグを剥ぎ取り、遠くへと投げ棄てた。
/278ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ