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姦譎の華
第6章 6
 祭のような狂乱の時代を謳歌する上の世代を羨ましく眺めつつ、次は自分たちの番だという期待を糧に、無闇に人数が多いため激化する競争を、たとえ落ちこぼれようが懸命に耐えてきた。なのに社会に出るや状況は一変し、仕事があるだけマシ、飲みに行けるだけマシ……何かが有るだけマシ、無い奴らよりはまだマシだ、そう考えることでやっと乗り切っていけるものになっていた。しかも歳を重ねるにつれ、有ると思っていたものすらボロボロと失われていく。それでいて、空いた虚穴を埋めてくれるものは何もない。

 時代への恨み辛みを並べたところで、一人の女を二人がかりで脅し、後ろからバストを揉みしだく蛮行を正当化できるとは考えていない。

 理由は、ムラムラするからだ。
 たしかに、端的にその一点だ。

 両手いっぱいの肉果から巻き起こる愉楽が、二十年以上穿たれ続けた落窪へと滔々と流れ込んできていた。島尾は肉幹の奥までがせせらいでいくのを感じながら、バストを揉み回し、勃起を強く擦りつけた。

「──ちょっと島尾さ……」

 先輩がごちゃごちゃ言って、しゃにむに上躯へ狼藉をはたらき始めたものだから、しがみついていた聖殿も稲田ごと大きく揺れた。

 これではお伺いの立てようがない。

(いや……)

 そもそも、立てる必要があるのだろうか?

 具申したところで、とても許しが下るような願い出だとは思えなかった。否認されたところで、溢れる我欲を抑え切れるとも思えない。

 島尾に蹂躙されている今ならば、騒乱に乗じて思いを遂げることができるのではないだろうか?

「む……」
 稲田は思い切って首を伸ばした。「……ふおぉっ!」

 まず鼻先が当たり、遅れて上唇も触れた。ストッキングは下肢にぴったりと貼り付いてはいたが、最も奥深いこの部分だけは、伸縮が軽く弾ね返してきて最後の抵抗が試みられた。

 顎を突き出して薄膜を押し返す。すると下唇も神秘の丘へと到達し、偶然にしては出来すぎているほどの丸みに、だらしなく開いた口を密閉された。

「ふごっ……、んご……」

 息苦しい。鼻がブタのように鳴る。

 稲田は大きく肺を膨らませたが、吸い込んでいるのは鼻ではなく口だった。空中から嗅ぎ取ってきた匂いが、集中的に、濃密に口腔に充満する。
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