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姦譎の華
第6章 6
「──どうだ、おらっ、モミモミされてオッパイが喜んでるぞぉっ!」

 女の声を島尾も聞いていた。バストが縦恣に晒されて、今度こそ、女の口から苦悶が漏らされたのだと思った。

 揉み続けながら、上衣の中に息づく突起を左右ともに発見していた。人差し指で捕らえ、中指との間に挟む。間違いなく、充血して硬くなっている。いくら凄然を装っていようが、女のカラダとは、想像してきた通り、正直なものなのだ。

(お、……お、おおお)

 かよわかった声は、耳だけではなく股間も刺激していた。膨らみ切った亀頭の内部にキュルキュルと小渦が巻く。島尾は必死に歯を食いしばらせたが、バストを揉みしだく両手を止めることはできなかった。ヒップが絶えず先端を撫でてくる。このままではまずい、と腰を引こうとした矢先、

「……変なもの擦りつけないで」

 明らかにトーンダウンした声音で女が言ったものだから、引くに引けなくなってしまった。

「へ、へへっ……モッ、モミモミされながらチ×コでツンツンされて、燃えてきたんだなっ。どっ、どうやら美人秘書様はM……、へ、変態のドM女らしい」

 願望ばかりが先行した揶揄に、

「本当に頭がおかしい。痛いし、気色悪いだけだから」

 またもや冷淡な誹謗が返されたが、島尾は黙殺することができた。憂苦へ追い込んでいるのがバストへの攻めではないと知った落胆を、我が肉棒で女をいたぶることができている歓喜が上回っていた。

 腰を押し付け、ズボンの外まで粘液の染みた尖りをヒップの奥深くへ挿し入れる。稲田の顔にも当たるかもしれないが、知ったことではない。足を外側に開いてガニ股となり、腰を斜め上へ突き上げると、お互いの着衣を何枚も挟んでいるというのに、下半身が熔け落ちそうな快美が背を抜けた。

 低劣な所業である自覚はあっても、やめることができなかった。腕の内側の筋が痛くなるまで握っているのに、バストはいまだ小癪に手のひらを弾ね返している。
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