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姦譎の華
第6章 6
 いったいここに何が詰まっているのかといえば、とりもなおさず脂肪なのだろうが、どんなに歪めても何ら崩落の兆しを見せず、あくまでも高雅な佇まいを保ち続けているのは、この女が別の物を、男に対して反抗的な何かを、いっぱいに詰め込んでいるせいにちがいなかった。

「──んごっ……ひょぶっ!」

 稲田は奇声を上げていた。

 丘陵にベッタリと押し付けた舌腹を前後させると、口内に広がる馥郁とした味わいに眩暈がする。何だかCMの画が思い出された。繊維の一本々々に付着した聖なるエキスを根こそぎ落とし、唾液に洗い、残さず嚥下する。狂ってしまっても構わない。

「ひょっ……、い、いや……、ふああっ……!」
 突然のことだった。誰かが、肉棒を引っぱっているのかと思った。「い、いぐっ……、おむっ……、いぎっ、いっちゃ……、いっちゃ、ってますぅ……」

 扱いても触れてもいないのに、ズボンの中で爆発が始まったとわかったのは、もう二度三度と脈動してしまった後だった。奏上し遅れたことに焦った稲田は、スカートの中から懸命に訴えた。祝詞の途中で奇妙な間が空くのは、喘ぐ寸間も我慢できず、丘へとしゃぶりついているからだった。

「お……、お、あ……」
 島尾の尿道も怒涛が急襲していた。括約筋を締めて耐え抜こうとしたが、稲田の叫びが聞こえ、なんだ俺だけではないのか、という甘えが生じた瞬間、「おっふ! ……うっ、あぁ……」

 ひとたびビュッと漏らしてしまっては、あとは何をしても無駄だった。根元からもげ落ちそうな噴射に膝が折れかかるが、それでも島尾の手は、絶えずバストを揉み続けていた。










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