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姦譎の華
第8章 8
 把手のように手首につかまった稲田が、再び顔面を押し付けてきた。おそろしく熱い吸盤が真後ろから丘に密着し、舌先が下から上へと、まるで何かを刈り取らうとするかのように這いずる。

「ちょ、ちょっと……」

 稲田は狭間深くに顔面を差し込ませ、ヒップの中心線へ鼻筋を擦りつけてきていた。微妙な場所に触れられる嫌悪に思わず臀を絞り、小さく足踏みをして腰を捻ったが、執念深く追いてきて決して離れようとはしない。

「はふっ、お、おいひい……、おいひいですぅ、華村ふにん。……い、いや、華村多英ひゃまぁ……」

 籠もり、爛れた声でフルネームを呼ばれ、下着の食い込みに渦巻いていた悪寒がそのまま背すじを駆け上がった。

「き、きたない……」
「ひっ、ひたなくなんか、はりまへん、よ。多英さまのココ、なら、ガ、ガス、を出してもらっても、かまひません。いや……、た、多英ひゃまのものなら……、おむっ……、た、たとへ、ほならじゃなくても……」

 汚いとみなしたのは稲田の顔面だというのに、まるで見当違いの答えを返される。

(……っ、だめ──)

 全身を襲う身震いの原因は、先ほど背を駆けたのと同じ類いの、偏狂な男の戯言に対する悍ましさだけではなかった。屈辱的にヒップを貪られているというのに、内ももへ力を入れてしまった──入れざるをえなかった、自分自身にも慄然となった。

「稲ちゃんはあんたのことを勘違いしてるようだからなあ。一発ブッこいてやってさ、アタシも人間だって、ドスケベのマゾ女なんですって教えてやれよ」

 身も気も引き締めようとしていたところへ、島尾がまたもや最低な揶揄をしてくる。頭の悪い中年男を睨み返し、

「誰が──」

 全否定してやろうとした刹那、何の予告もなくブラが引き下ろされた。
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