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姦譎の華
第9章 9



「──なるほど。そこまで聞き出せたのは収穫だな。というか先輩、喋りすぎだ」

 苦笑した敏光は多英を向いて、さすがだね、と付け加えた。

 ホスト席に座った社長を、斜向かいに二人の秘書で挟んでいた。つまりその言葉を聞いて指に力の入った愛紗実は敏光の死角であって、多英の真正面だった。左側からピンとした空気が発せられたのを、犀利な経営者が気づかないなんてことがあるだろうか。それともこういった負の情波は、女にしか感受できないものなのだろうか。

「それは藤枝さんが……、奥原様がお話ししやすいように誘導してくれましたので」

 どれだけ毒気を発しても動じなかった上司が急に部下を持ち上げてきたものだから、当の愛紗実が目を丸くしている。

 昨晩の振り返りの打ち合わせがしたい。始業後しばらくして敏光が声をかけてきて、指差された先を見た多英の頬は凝ごった。

 特別応接室はいかなる乱れも汚れも、そして臭いもなく、昨晩の痕跡は何一つ認められなかった。窓はすでに透明のガラスに姿を戻しており、新宿のビル群を映し出している。

 だが、いくら情景が素知らぬ顔を貫いてくれようが、ほんの数時間前まで繰り広げられた姦辱の記憶が、薄まろうはずはなかった。

「──あ、脚をひらかせろ」

 長らく魅入っていた島尾が思い出したかように言うと、我に返った稲田が両膝を割らせにかかった。息を止めたまま、加えられる力に刃向わず、股関節の力を緩めていく。

 しかしどうしても、踵をついて浮かせる両足の先が丸まった。四つの眼が、何ら覆うもののなくなった下腹の中心へと集中している。

「ぬ……、濡れてるな」
「そっちの汚ない唾よ」

 来ると思っていた揶揄が来て、すぐさま稲田を顎先で指すと、

「ウソつけ、俺のモミテクで濡らしやがったくせによぉ」
「どこまで頭が悪いの? そんなわけないじゃない」
「へえ、そうかい。──おい稲ちゃん、手伝え」
「え? あ、はい……」
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