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姦譎の華
第9章 9
 ただの肉棒ではなかった。

 島尾が生やした牡欲の塊は、丈と幅が不釣り合いに、短く、太かった。持ち主の醜躯に相似したような姿だが、何より多英をたじろがせたのは、厚く皺んだ寄り皮にこびりついた、汁と体温によって溶かされた粘体の存在だった。

「ちょっとっ、……そ、それ、拭きなさい……」

 脇に手をつき、もう一方の手で幹が倒される。荒息が前髪にかかり、汗ヌメる贅肉が内ももに触れた。いくら目を逸らそうが逃れることのできない激臭が鼻先に漂う。

「だから、それ、拭いてって……ちゃんと付けてっ!」
「も、持ってねえよっ、そんなもん。ナマでされても、なんか、薬、飲みゃいいんだろうがっ、女ってやつはよっ!」

 正直、避妊は望めないかもしれないという諦めはどこかにあった。だからといって、甚だ女を侮辱した理屈で生姦を容認できるわけもなく、鍛え上げた腹筋で身を起こし、両手で腹を突き返した。しかし贅肉が緩衝材となって力点は無力化され、猛迫する腰を一歩だに退かせることができない。張り詰めた亀頭が、やたらめったらに秘裂へと押し付けられる。

「待ってろよっ、い、いま、ヤッてやる……、ヤッてやるからなっ。おいじっとしろ、この……、稲ちゃんっ、抑えつけてくれっ!」

 島尾の後ろで成り行きを見守っていた稲田が、黙ってテーブルを巡り、肩に体重をかけてきた。冷たい天板に背が触れ、心臓が槍で突かれたように強く打つ。

 それでも何とかして逃れようと、足裏を踏ませ、腰を後ろへ引いたところだった。

「うっ……おっ、おおうっ……、おおっ、おおっ!!」

 海獣のような吼え声とともに、鉄を熔かしたようなしぶきが飛び散った。

 叢に裏筋を撫ぜられた肉茎から、二回目、かつ中年男のものとは思えない勢いで、何条もの白筋が体を舐めてきた。分離した薄い汁液が脇腹へと添い落ち、胸肌からは陽炎を浮かべそうな精臭が立ち昇って鼻腔を嫌というほど嘖む。

(ふ、ふざけないで──)

 挿入は免れたとはいえ、日々磨いている身肌を生臭い粘液で穢される屈辱は、姦されたに等しかった。
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