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姦譎の華
第12章 12
 だが、静まる倉庫を見た瞬間、中で何が行われているのか、一発で見破ることができた。ノックなく飛び込んでみると、島尾が聖女の体をまさぐっていた。

「何してるんですかっ!」
「な、何って……、へへ、まあ、ちょっとモミモミ……、朝モミしてただけだよ」
「まだ仕事中ですよ、ひどいじゃないですか!」

 朝モミだなんて言ったが、むしろ昼のほうに近いし、手を突っ込んでいたのは明らかにコートの下部だった。バカでクズの先輩が、こんな薄汚れた狭々こましい部屋で、まだ業務時間中だというのに、朝一番に拝覧させていただいた御身を穢そうとしていたのだ。

 いつもは「うるせえ」の一語で済まされてばかりだったが、今まで見せたことのない剣幕で迫ると、

「まあその、ついだよ、つい。いやさ、稲ちゃんも誘おうと思ったんだぜ? でも席にいなかったんだ。どこ行ってたんだよお」
「そっ、それは……」

 いきなりトイレの個室でのことを思い出さされて、何の言い訳も用意してなかった稲田は言葉を詰まらせた。

「いや……、ト、トイレに行ってただけですよ」

 稲田の狼狽ぶりに、島尾はわざとらしくふっと鼻を鳴らし、

「じゃあ待っとけばよかったなぁ。でも間に合ったんだから文句ないだろ? そんな大きな声出すなよ。見つかっちまう」
「間に合ったとか、そういう話じゃなく……」
「ほんと、ちょうどいいところに来たぜ。ま一発、稲ちゃんの手で美人秘書様のお高そうなおコートをさ、お脱がせしちゃってくれよ」
「え……」

 古めかしく湿っぽいはずの倉庫には、芳薫が漂っていた。
 島尾の隣に目を向ける。香りの主は幾分蒼ざめ、唇を結んで立ち尽くしていた。

「ほらよ」

 鉄扉の鍵を閉めた島尾は、両肩を後ろから抱いて稲田の正面へと向かせた。

「そんな、俺は……、えっと」
「誰か来ないうちに、はやくしようぜ」
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