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姦譎の華
第12章 12
しかし稲田は、意を決して指先を内へと折り曲げた。
「……どうよ?」
「や、柔らかい……、ですね」
至極当たり前の感想を述べながら、より多くの触感を賜ろうと手首や指の角度を変えていくと、上躯がピクンと震えた。
「おや、どうしました? 華村主任」
「……べつに」
「おい稲ちゃん、いまのとこだ」
何のことか理解しないまま、島尾の言うとおり親指の動きを再現させていくと、
「ンッ……!」
とあるポイントで、唄っているかのような麗しい響きに耳道を擽られた。
「けっ、さっそくビンカン乳首がキモチよくなってきちまったようだな」
「ち、ちがうわ……、……っ」
そう言いながらも、親指がポイントを通過するたびに、嵩のあるふくらみが細かく震える。
「稲ちゃん、どうなってる? 秘書様のお乳首は」
「え、どうって、あの……、かっ、かたく……、なって……」
「う、うそよ」
言い終わらぬうちに、頭ごなしに否定された。
聖女が違うと仰られるのであれば、何がなんでも追従すべきなのかもしれない。
けれども指との間にはジャケットのほか幾重の着衣があるはずなのに、圧を集中させて押し込むと、たしかに、内側から指先を弾き返す尖りが感じ取れた。他でもない、自分が慰撫したことによって成された愉悦の印だ。自らこれを否定するなんて、できはしない。
「いっ……、いいえっ! す、すごくっ、かか、かたくなってますっ!」
「ウンッ……!」
ひっかくように素早く弾くと、長身を折り曲げてバストが逃げていった。すぐに追いかけ、下向き加減になったために触りやすくなった頂点を再び指に挟む。最初は心配だったが、ある程度力を入れて抓っても着衣が痛みをうまく調和してくれるらしく、
「やっ……!」
聖女は脚を内側へ寄せ、島尾の支えが無ければしゃがみこんでしまいそうだった。伏せられているために御顔を拝することはできないが、ギュッと力を入れるたび、ゆるく束ねられた髪が揺れている。
「……どうよ?」
「や、柔らかい……、ですね」
至極当たり前の感想を述べながら、より多くの触感を賜ろうと手首や指の角度を変えていくと、上躯がピクンと震えた。
「おや、どうしました? 華村主任」
「……べつに」
「おい稲ちゃん、いまのとこだ」
何のことか理解しないまま、島尾の言うとおり親指の動きを再現させていくと、
「ンッ……!」
とあるポイントで、唄っているかのような麗しい響きに耳道を擽られた。
「けっ、さっそくビンカン乳首がキモチよくなってきちまったようだな」
「ち、ちがうわ……、……っ」
そう言いながらも、親指がポイントを通過するたびに、嵩のあるふくらみが細かく震える。
「稲ちゃん、どうなってる? 秘書様のお乳首は」
「え、どうって、あの……、かっ、かたく……、なって……」
「う、うそよ」
言い終わらぬうちに、頭ごなしに否定された。
聖女が違うと仰られるのであれば、何がなんでも追従すべきなのかもしれない。
けれども指との間にはジャケットのほか幾重の着衣があるはずなのに、圧を集中させて押し込むと、たしかに、内側から指先を弾き返す尖りが感じ取れた。他でもない、自分が慰撫したことによって成された愉悦の印だ。自らこれを否定するなんて、できはしない。
「いっ……、いいえっ! す、すごくっ、かか、かたくなってますっ!」
「ウンッ……!」
ひっかくように素早く弾くと、長身を折り曲げてバストが逃げていった。すぐに追いかけ、下向き加減になったために触りやすくなった頂点を再び指に挟む。最初は心配だったが、ある程度力を入れて抓っても着衣が痛みをうまく調和してくれるらしく、
「やっ……!」
聖女は脚を内側へ寄せ、島尾の支えが無ければしゃがみこんでしまいそうだった。伏せられているために御顔を拝することはできないが、ギュッと力を入れるたび、ゆるく束ねられた髪が揺れている。