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お嬢様の憂鬱(「ビスカスくんの下ネタ日記」サイドストーリー)
第4章 仲直りの問題
「もしかして、色々と難しいのかもしれないけど……せめて、年明けにお会いするまでには、仲直りして下さってたら嬉しいわ。お二人とも、私の大切なお友達だから」
「心配して下さってありがとう、スグリ様」

 スグリ姫に年明けに会う時には、恐らくローゼルの婚約は既に整い、家の後継者となっている事でしょう。もしかするとスグリ姫とサクナよりも早く、婚儀を行うことになるかも知れません。

(……結婚式にはお呼び下さるっておっしゃっていたけど、その頃には、もう……そして、私の結婚式には……)

 スグリ姫の式が行われる春には、自分は、そしてビスカスは、どうなっているのだろうとローゼルは思いました。
 そんな事を思うとなんとなく気持ちが沈むのが、スグリ姫とのお別れのせいなのか、それとも他の理由のせいなのか……ローゼルは結局深く考えることは諦めて、カップのお茶を飲み干しました。


*     *     *


「ただいま」
「お帰りなさい、ローゼル」
「ただいま帰りました、お義母様」
「さあさあ、リアン様がお待ちかねよ」

 しんみりした別れの後に不似合いな義母の出迎えに、ローゼルは眉を顰めました。意外な事に、義母はリアンとの結婚に乗り気であったのです。

「リアン様がいらして下さって、良かったこと!」

 ローゼルが不快そうな顔をしているのにも気付かずに、義母は機嫌良くまくし立てました。

「家柄の宜しくない下品な殿方などと結婚なさって、家の恥になっても、困りますものねえ」

 聞かぬ振りをしていた義母の物言いの中の人を貶める様な部分が引っ掛かり、ローゼルの眉が逆立ちました。

「……それは、誰の事ですか?」
「別に、誰とも?」
「もしもビスカスの事をおっしゃってるのでしたら、即刻取り消して頂きたいですわ」

 義母にはビスカスとの婚約も、それが流れてリアンと見合いする事になったのも、どちらも報告はされておりました。但し、口を挟む事が出来ない様に、全て決定した後に事後報告として、領主である父から伝えられたのです。
 婚約の理由も、後継者を変える為とは話しておりません。そちらもまた、全てが済んだ後で、父から伝えられる予定です。
 義姉についても、しばらくこの地を離れる事が決まっているのを、旅先で病を得てそのまま静養するという形で、出発後しばらくしてから伝える予定になっておりました。
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