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逆転 (大人の教育をしてやるよ!)
第1章 ふれアい




「この辺にしておきましょうか。」

「…ハイ」


放課後、セピア色に染まった廊下で紅葉とジャージ姿の若い男性が並んで歩いていた。
生徒達の靴箱が並ぶ玄関前まで行くと二人は立ち止まる。

「とりあえず見廻りついでに校内を案内しましたが
どうですか?朝比奈先生。」

「思ってたより広くて……迷いそうです。」

「ハハハッ!まぁその内慣れてきますよ!とりあえ朝比奈先生は音楽室と職員室を覚えておいて下さい。他は後からゆっくり覚えておけば大丈夫ですから。」

「ハイ、若林先生。」

「これうちの学校の校内図です。しばらく持ってた方がいいでしょう。」

若林はコピーした校内図を紅葉に渡す。

「ありがとうございます。」

紅葉は嬉しそうに笑い、若林にお礼を言う。

「じゃあ後は俺がやっておくので、今日のところは朝比奈先生はお疲れだと思うので先に帰って下さい。」

若林は爽やかな笑顔で言う。

…多分、女子生徒達や若い女性教師達に人気があるんだろうな…と紅葉は思った。

「何から何までありがとうございます。」

紅葉は笑顔でお礼を言い軽くお辞儀をする。



***



若林と別れたあと紅葉は職員室に戻り、バックを取り出し他の教師達に挨拶して職員室を出る。

まっすぐ帰ろうかと思っていたが、若林からもらった校内図を手帳から取り出し音楽室の位置を確認する。


『……明日から授業だ!自習とはいえ音楽室がわからずに道に迷ったら……桃ちゃんや理事長に顔向けできないっ!!』

紅葉は帰る前にもう一度音楽室の場所を確認するため、渡り廊下を歩き音楽室まで向かう。

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