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契り【~初身世】
第2章 月琴楼
女将は弥勒の後ろにいる常夜を観る。
「この子が例の?」
「そうです。」
「まあまあ、はじめまして。私はこの「月琴楼」(ゲッキンロウ)の女将の『真珠』、源氏名は『李』だから皆からは『李夫人』と言われてるわ。」
「はじめまして、常夜といいます。」
名乗られたのなら、自分も名乗るのが礼儀。
常夜は自己紹介をする。
「よろしくね!あなたはここで『儀式』をするのよ」
「…!?/////」
『儀式』という言葉に常夜は紅くなる。
「フフッ、思った通りの子ね。」
大人は楽しそうに笑う。
「女将、常夜の相手は決まりましたか?」
弥勒が小さく咳払いをして、李夫人に聞く。
「今、選んでいるところよ。何しろ人気があるからね!指名者が多いのよ!」
「…え?人気!?」
常がは大きな碧色の瞳を、更に大きく開けて李夫人を見る。
「貴方、現世に産まれる前に死神になったでしょう?だから何も知らない。男も情事も知らない。生まれたての子羊のような…無垢な少女。そんな少女を男は汚がしてみたいのよ!」
李夫人はクスクスッといたずらっ子のように笑う。
「…ッ!!?」
常夜の顔はみるみる青ざめていく。
「女将、これ以上常夜をからかうのは……」
「あらっ、ごめんなさい!大丈夫よっ!初めての相手は負担の少ない優しい方を選ぶから!」
「……………」
この後に、せっかく来たんだから…と李夫人にお店を案内され、その後残り物だけど…と豪華な食事とお酒を振る舞われた。
食事の後、弥勒は李夫人と話があるため部屋を出ていき、常夜はお酒に酔って身体が火照るので外に出て風にあたりに外に出た。