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手紙と初物(柊屋敷ピックアップ御礼兼護衛のサイドストーリー)
第1章 手紙と初物
『スグリ、元気か。
お前がそっちに行ってから、十日ばかり経ったか。もうすぐ年の暮れだな。そっちじゃ年越しの準備が進んでんだろうな。
王様、お后様、ハンダマ様と奥様、皆様息災か。ハンダマ様にあの額の絵の礼を言っといてくれたか?いや、ありゃあ字なのか?字にしちゃえらく綺麗だよな。お前の部屋に入る度に眺めてるぞ。
バンシルにゃあ、会ってるか?忙しくて年越しどころじゃ無ぇかもしれねぇが、あいつなら大丈夫だろうよ。会う事が有ったら、宜しく伝えてくれ。
……ところで。
今日手紙を書いてんのは、贈り物の送り状……なら良かったんだが、ローゼルとビスカスの事だ。お前が帰ってから聞かせりゃ良いんだろうが、驚くだろうからな。悩んだんだが、先に心の準備って奴をしといた方が良いんじゃねぇかと思ったんだよ。
ローゼルは、従兄弟と婚約した。昨日が婚約式で、初床だった。よっぽどの事が無ぇ限り、お前がこっちに帰って来る前に仮の婚礼をして、俺達より早く結婚式を挙げる。
今、ビスカスはどうしたんだって思ったろ。ビスカスは昨日でローゼルんとこを辞めた。しばらくはふらふらするって言ってたが、お前にゃ挨拶してぇって言ってたから、多分年明けにゃあ家に顔を見せると思うぞ。
……お前、今、泣いてんな?
泣いてんだろ。隠しても分かってんぞ。別に、ビスカスたぁ今生の別れって訳じゃ無ぇぞ?だから、泣くな。
一緒に入れた荷物に、前飲んだエロ……秘密の酒の改良版が有るから、もう、それ飲んで寝ちまえ。寝れなかったら、そいつを飲んで、俺を好きなだけおかずにしろ……つっても、もうネタが尽きてるか、飽きてるかもしれねぇな。
……よし。今から、お前に新しいおかずのネタを教