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手紙と初物(柊屋敷ピックアップ御礼兼護衛のサイドストーリー)
第1章 手紙と初物
「良かったなあ。スグリがさぞかし喜ぶだろうよ」
「へい。スグリ様にゃあお嬢様共々、えれぇご心配をお掛けしちまって」
「……まだ『お嬢様』なのか?」
「へ?」
「嫁にしたんだろ?まだ呼び方ぁ『お嬢様』なのか?」
「や……もう、長年の癖なもんで……おいおいにで、勘弁して下せえ……」
「おっと。相談の途中だったな」
サクナは纏めて置いてあった荷物から、瓶を一本取り出しました。
「やるよ。祝いだ」
「酒ですかい?俺ぁ酒は」
「酒だが、ただの酒じゃ無え。痛がる女にゃうってつけだぞ」
サクナはスグリ姫に書いていた手紙の後半を丸めて捨てると、新しい便箋に、何やら書き付けました。
「何ですか、こりゃ……飲む垂らす塗るぅううう!!??」
「この酒の使い方だ。痛がられてお前が入れなかったとこに垂らして塗れ。それでも痛がったら、少しだけ飲ませろ」
「ひぇぇええっ!?」
「お前は下戸だから、なるべく飲むなよ。寝ちまったり出来なくなっちゃあ、意味無えからな……舐めるなぁ仕方ねぇかもしれねぇが、そん位にしとけ」
「へい……お気遣い、有り難う御座ぇやす……」
ビスカスは真っ赤になって、てへへっと笑いました。
「そうか。お前ら、初物同士か。それも、良いもんかもな」
「へえ。すげー良いもんでさあ」
へらへら笑うビスカスを見ていたサクナは、悪戯心が湧きました。
「ビスカス?」
「へい?」
「……『ローゼルがお前以外の誰かに、好きな様にされちまっても良いのかよ』」
サクナはビスカスに、以前聞いたのと同じ事を聞いてみました。
それを聞いたビスカスは瞬間的に凍り付き、気の弱い者ならばそれだけで心臓が止まりそうな殺気を漂わせ、そのあところっと態度を変えて、盛大に破顔しました。
「……絶対ぇ、駄目です。」