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パパとナナとモモちゃん
第2章 ナナとモモちゃん
急いでうちに入ってリビング覗くと、パパ、風呂上りなのかタオル首に巻いて、リビングのソファに座って缶ビール飲みながらのんびり野球中継観てる。
モモちゃんはというと……リビングの奥のキッチンでエプロン姿で料理作ってた。
パパのテーブルの上にはお皿があって、そこにはレタスと生ハムとチーズのスライス載ってる。
これ、パパが作ったんじゃないよね?
作れるわけない。
キッチンから漂う美味しそうな匂い。
ここ、わたしんちだよね?
離婚ホヤホヤの、殺伐とした家庭のはずだよね?
なに?この状況?
これってあたし、「ただいま~、お腹ペコペコ~、ママ、ゴハンまだ~?」
って言わなきゃならないシチュエーション?
でも気を取り直し、一応普通に「ただいま~」と声を掛ける。
「あ、ナナちゃんお帰り~」
「おう、お帰り」
二人して言う。
「モモちゃんごめんね、遅くなって、今手伝うから」
「ううん、大丈夫。ナナちゃん座って待ってていいよ。もう少しで出来上がるから。冷蔵庫にワインもあるよ。」
うん、ありがとうママ、って言ってしまいそうなのをこらえた。
夕食はモモちゃんの手料理を囲み、久し振りにアットホームな雰囲気。
会話も弾む。
パパ、モモちゃんに、あたしが知らない昔のロックバンドの話をしています。
モモちゃん、うなずいて熱心に聴いてます。
モモちゃん、パパにビール注ぎます。
パパがビールを飲み干すのを最後まで目を細めてみています。
「モモちゃんなら、いいお嫁さんになるなあ、絶対!」
パパ、またモモちゃんにビールを注がれながら嬉しそうに言います。
あのー、アナタのかわいい娘さんにはそう思わないんですか?
このエロオヤジ!
「モモちゃん、無理にパパの話聞かなくていいよ。つまんないでしょ?」
「ううん。面白いよ」
「うちの菜々美は全然パパの話聴いてくれないんだよ。パパ寂しくて……」
パパ、腕を目に当て、泣いてるジャスチャー。
アホか。
「あの……ナナちゃんのお父さんの名前はなんていうんですか?」
パパ、腕を顔から下ろすと、急に真顔になって、目線斜め下で、うつむきながらボソッと言う。
「ヒロシです……」
あちゃー、やっちゃったよ。
パパの唯一の一発ギャグ。
実際、ヒロシだからしょうがないけど……。
モモちゃん、大笑い。
モモちゃんホントに楽しそう……。
パパも……。
でもなんかムッとしてる自分がいる。
モモちゃんはというと……リビングの奥のキッチンでエプロン姿で料理作ってた。
パパのテーブルの上にはお皿があって、そこにはレタスと生ハムとチーズのスライス載ってる。
これ、パパが作ったんじゃないよね?
作れるわけない。
キッチンから漂う美味しそうな匂い。
ここ、わたしんちだよね?
離婚ホヤホヤの、殺伐とした家庭のはずだよね?
なに?この状況?
これってあたし、「ただいま~、お腹ペコペコ~、ママ、ゴハンまだ~?」
って言わなきゃならないシチュエーション?
でも気を取り直し、一応普通に「ただいま~」と声を掛ける。
「あ、ナナちゃんお帰り~」
「おう、お帰り」
二人して言う。
「モモちゃんごめんね、遅くなって、今手伝うから」
「ううん、大丈夫。ナナちゃん座って待ってていいよ。もう少しで出来上がるから。冷蔵庫にワインもあるよ。」
うん、ありがとうママ、って言ってしまいそうなのをこらえた。
夕食はモモちゃんの手料理を囲み、久し振りにアットホームな雰囲気。
会話も弾む。
パパ、モモちゃんに、あたしが知らない昔のロックバンドの話をしています。
モモちゃん、うなずいて熱心に聴いてます。
モモちゃん、パパにビール注ぎます。
パパがビールを飲み干すのを最後まで目を細めてみています。
「モモちゃんなら、いいお嫁さんになるなあ、絶対!」
パパ、またモモちゃんにビールを注がれながら嬉しそうに言います。
あのー、アナタのかわいい娘さんにはそう思わないんですか?
このエロオヤジ!
「モモちゃん、無理にパパの話聞かなくていいよ。つまんないでしょ?」
「ううん。面白いよ」
「うちの菜々美は全然パパの話聴いてくれないんだよ。パパ寂しくて……」
パパ、腕を目に当て、泣いてるジャスチャー。
アホか。
「あの……ナナちゃんのお父さんの名前はなんていうんですか?」
パパ、腕を顔から下ろすと、急に真顔になって、目線斜め下で、うつむきながらボソッと言う。
「ヒロシです……」
あちゃー、やっちゃったよ。
パパの唯一の一発ギャグ。
実際、ヒロシだからしょうがないけど……。
モモちゃん、大笑い。
モモちゃんホントに楽しそう……。
パパも……。
でもなんかムッとしてる自分がいる。