この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
女ざかりの恋の音色は
第12章 【番外編】くもり空と秋晴れの空と
「樫野さん、私、必要とされてないんです・・・・・・」

ゆかりがポツリと言った。

「え?」
「さっきみたいに、基本的なところで躓くから、もう誰も教えてくれなくて。それなら一生それで躓いておいてくれって、みんな思ってるんです。完全に戦力外で・・・・・」

ゆかりがぽろぽろと涙をこぼした。

「私、今までかわいいだけで生きてきたから、どうしたらいいかわからなくて。余裕ないから、誰もちやほやしてくれないし・・・・・」

(はっきり言う人だなぁ・・・・・・)

芙実は内心苦笑して聞いていた。

「樫野さん、すごい。今日から入ったのに、どんどん作業すすめてて・・・・・。私、一つも進められないのに、何しに会社来てるんだろ・・・・・。何もしないで席に座って、お給料だけもらうって、すごく辛い・・・・・・」

打ちひしがれているゆかりの姿に昔の自分を重ねて、胸が痛くなる。

「私もありました。新人のころ、使えないからって放置されたこと。辛いですよね。存在を無視されて。でも、何かしなきゃいけないし・・・・・」
「樫野さんもそんなことあったの・・・・・?その時どうしてた?」
「開き直って、勝手に単体テストとかやったり資格の勉強してました。そのうち、声かけてくれる先輩が出てきて、少しづつ教えてもらって。気がついたら火の車状態の現場に放り込まれて、いつの間にかいろいろできるようになりました。あの時は辞めたくて仕方なかったけど、放置されたこと思い出して踏ん張りました。あれよりマシだって」
「そうだったんだ・・・・・。すごい、かっこいいなぁ・・・・・・」

芙実は慰めの言葉を探った。女の子を慰めるなんて機会が今までなかったから、何て言ってあげるのが正解かわからないが、思ったことをそのまま伝えようと思った。

「でも、花森さんは私とは違います。花森さんは、そこにいるだけでみんなの作業効率、上げてると思います」
「どういうこと?」
「花森さんみたいな華やかさって、やっぱり必要なんです。男の人しかいない現場はもっと殺伐としてます。かわいい子がいるってだけでもみんなのモチベーションは上がるんです」
「それ、結局見た目だけってこと?なんか、褒められてる気がしない・・・・・・」

ゆかりがしゅん・・・・としたので、芙実は慌てて続けた。
/288ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ