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女ざかりの恋の音色は
第12章 【番外編】くもり空と秋晴れの空と
「樫野さん、私、必要とされてないんです・・・・・・」
ゆかりがポツリと言った。
「え?」
「さっきみたいに、基本的なところで躓くから、もう誰も教えてくれなくて。それなら一生それで躓いておいてくれって、みんな思ってるんです。完全に戦力外で・・・・・」
ゆかりがぽろぽろと涙をこぼした。
「私、今までかわいいだけで生きてきたから、どうしたらいいかわからなくて。余裕ないから、誰もちやほやしてくれないし・・・・・」
(はっきり言う人だなぁ・・・・・・)
芙実は内心苦笑して聞いていた。
「樫野さん、すごい。今日から入ったのに、どんどん作業すすめてて・・・・・。私、一つも進められないのに、何しに会社来てるんだろ・・・・・。何もしないで席に座って、お給料だけもらうって、すごく辛い・・・・・・」
打ちひしがれているゆかりの姿に昔の自分を重ねて、胸が痛くなる。
「私もありました。新人のころ、使えないからって放置されたこと。辛いですよね。存在を無視されて。でも、何かしなきゃいけないし・・・・・」
「樫野さんもそんなことあったの・・・・・?その時どうしてた?」
「開き直って、勝手に単体テストとかやったり資格の勉強してました。そのうち、声かけてくれる先輩が出てきて、少しづつ教えてもらって。気がついたら火の車状態の現場に放り込まれて、いつの間にかいろいろできるようになりました。あの時は辞めたくて仕方なかったけど、放置されたこと思い出して踏ん張りました。あれよりマシだって」
「そうだったんだ・・・・・。すごい、かっこいいなぁ・・・・・・」
芙実は慰めの言葉を探った。女の子を慰めるなんて機会が今までなかったから、何て言ってあげるのが正解かわからないが、思ったことをそのまま伝えようと思った。
「でも、花森さんは私とは違います。花森さんは、そこにいるだけでみんなの作業効率、上げてると思います」
「どういうこと?」
「花森さんみたいな華やかさって、やっぱり必要なんです。男の人しかいない現場はもっと殺伐としてます。かわいい子がいるってだけでもみんなのモチベーションは上がるんです」
「それ、結局見た目だけってこと?なんか、褒められてる気がしない・・・・・・」
ゆかりがしゅん・・・・としたので、芙実は慌てて続けた。
ゆかりがポツリと言った。
「え?」
「さっきみたいに、基本的なところで躓くから、もう誰も教えてくれなくて。それなら一生それで躓いておいてくれって、みんな思ってるんです。完全に戦力外で・・・・・」
ゆかりがぽろぽろと涙をこぼした。
「私、今までかわいいだけで生きてきたから、どうしたらいいかわからなくて。余裕ないから、誰もちやほやしてくれないし・・・・・」
(はっきり言う人だなぁ・・・・・・)
芙実は内心苦笑して聞いていた。
「樫野さん、すごい。今日から入ったのに、どんどん作業すすめてて・・・・・。私、一つも進められないのに、何しに会社来てるんだろ・・・・・。何もしないで席に座って、お給料だけもらうって、すごく辛い・・・・・・」
打ちひしがれているゆかりの姿に昔の自分を重ねて、胸が痛くなる。
「私もありました。新人のころ、使えないからって放置されたこと。辛いですよね。存在を無視されて。でも、何かしなきゃいけないし・・・・・」
「樫野さんもそんなことあったの・・・・・?その時どうしてた?」
「開き直って、勝手に単体テストとかやったり資格の勉強してました。そのうち、声かけてくれる先輩が出てきて、少しづつ教えてもらって。気がついたら火の車状態の現場に放り込まれて、いつの間にかいろいろできるようになりました。あの時は辞めたくて仕方なかったけど、放置されたこと思い出して踏ん張りました。あれよりマシだって」
「そうだったんだ・・・・・。すごい、かっこいいなぁ・・・・・・」
芙実は慰めの言葉を探った。女の子を慰めるなんて機会が今までなかったから、何て言ってあげるのが正解かわからないが、思ったことをそのまま伝えようと思った。
「でも、花森さんは私とは違います。花森さんは、そこにいるだけでみんなの作業効率、上げてると思います」
「どういうこと?」
「花森さんみたいな華やかさって、やっぱり必要なんです。男の人しかいない現場はもっと殺伐としてます。かわいい子がいるってだけでもみんなのモチベーションは上がるんです」
「それ、結局見た目だけってこと?なんか、褒められてる気がしない・・・・・・」
ゆかりがしゅん・・・・としたので、芙実は慌てて続けた。