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女ざかりの恋の音色は
第12章 【番外編】くもり空と秋晴れの空と
舌をねっとりと絡ませ、唇を優しく噛む。
口の中にも性感帯があると読んだことがある。
芙実は理志の舌の裏の付け根に舌先をあて、優しく左右に動かしてみた。

レロ、レロ・・・・・・・

理志のヌルヌルした舌裏の感触を感じて首筋にゾクゾクしたものが走る。

芙実の官能が刺激されて、理志と今すぐめちゃくちゃなセックスがしたくなる。

「・・・・・・芙実のキス、エロい」

理志が唇を離して吐息とともに囁いた。

芙実は理志の顔をじっと見た。疲れた顔をしているが、瞳は潤んで欲情しているのがわかる。

芙実はだめだめ!と心の中で叫んで、自分を抑制した。
やはり会社の屋上でこんなことしていて良いはずがない。
自分からキスしたいなんて言って、やっぱりどこか壊れてしまってるみたいだ。

自分の手の甲を思い切りつねる。

「いっ!」
「何してんの!?」
「・・・・・ムラムラを抑えてます・・・・・・・」

理志がやめなと言って、つねる手を掴んだ。

「あーあー。真っ赤になっちゃってる。だいたい、こんなことして抑えられるもんなの?」
「無理です・・・・・・」

理志がクス・・・・・と笑う。

「ムラムラしたっていいじゃん。俺もしてるし」
「だめです・・・・・・。最近、その・・・・・・ご無沙汰なので・・・・・・。歯止めがきかなくなります・・・・・・・」

ここのところ、オナニーしようと思ってもベッドに入った瞬間寝てしまう。週末も生理で出来なかった。今ここで溜まったものを出すわけにはいかないと思った。

「少しくらい大丈夫。何して欲しい?」
「・・・・・・・・」

理志が芙実のおでこに自分のおでこをつけて尋ねる。
芙実は思い切ってしてみたいと思っていたことを口にした。

「理志さんのおっぱい舐めたい・・・・・・」
「・・・・・・は?」
「理志さん、舐めさせてくれないから・・・・・・」
「・・・・・・やだ」
「私のは舐めるのに、ずるいです」
「・・・・・・くすぐったいから、やだ」

理志が恥ずかしがって視線を反らす。

(かわいい・・・・・・!)

いやがる姿がかわいらしくて胸がきゅんとする。

疲弊した精神のおかげで、いつもの遠慮はどこかへ消えてしまった。
会社の屋上でダメだという理性がまだあるものの、芙実の中の攻撃性がそれを凌駕する。
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