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女ざかりの恋の音色は
第12章 【番外編】くもり空と秋晴れの空と
芙実がどう答えたらいいのかおろおろしていると、エントランスホールの方からきゃあきゃあと女性たちの高い声が聞こえた。中庭とホールを隔てる扉は開かれ、様子がよく見えた。
芙実たちは全員そちらに視線を向ける。

複数の女性たちがはしゃいだ声をあげている。久しぶりーという言葉が聞こえてきて、どうやら女友達と久しぶりの再会を果たしているところらしかった。

「・・・・・あ、藍さんだ」
「うわー。見て、あれヴィトンの新作じゃん」
「レザージャケット素敵~」
「あのジャケット、エルメスだよ。100万くらいするんじゃない?」

芙実は女子たちが声をひそめて話している様子を他人事のように聞いていた。

「あれは同期に会いにきたフリして元カレに会いにきたな」
「え!?藍さんの元カレって誰!?」
「蒼井さんだよ。知らないの?」

芙実は固まって動けなくなった。

(元カレ・・・・・・・)

すぐに皆が話していた藍という人物を探る。

探るまでもなく、黒のレザージャケットに細身の白いパンツ姿の女性だとすぐにわかった。おそろしくスタイルが良く、モデルのようだった。

綺麗に茶色に染められた髪をおでこ全開にしてすっきりと後頭部でまとめている。
佇まいにオーラがあって、芙実はよく雑誌やネットで見るハリウッドセレブみたいだと思った。

「えー?ほんと?みんな知ってた?」
「本人たち公言してなかったけど、みんな大体知ってたよね。飲み会のあとたまに一緒に帰ってたし」
「私、藍さんから聞いたよ。実は・・・・って。藍さん的にはみんなに言いたかったみたいだけど、蒼井さんが嫌がってたらしい」

芙実は胸がドキドキしてきて、じろじろ見るのはやめようと思っても藍から目が離せなくなっていた。

「ほらほら、元カレ登場ですよ」

理志たち男性社員が昼食を食べ終わって、ぞろぞろと歩いてきた。

ホールで立ち話をしている女性たちが、理志たちに気付いて声を上げる。
理志はおお、という顔で藍を見ると軽く手を上げた。

藍の方は理志が髪を切ったことに驚いたあと、にこにこして理志の髪を触っている。

芙実の胸がぎゅううっと締め付けられた。
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