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女ざかりの恋の音色は
第12章 【番外編】くもり空と秋晴れの空と
「どうしたって・・・・・・。少し話しをしただけです」
「何を話すんだよ」
「何をって・・・・・・昔の話とか・・・・・今何してるかとか・・・・・・」
「たこ焼き食べながら?」
芙実は心底驚いた。理志はどこかで見ていたのだろうか。
「えっ。すごい、なんでわかるんですか?」
「・・・・・・・」
芙実は思わずきょろきょろと周りを見回して、理志がいないか確かめた。
さすがにここにはいないようだが、この洞察力はいったいどこから来るのだろうと不思議に思う。
「・・・・・もう少ししたら仕事終わるから、芙実の家に行く。もう芙実も帰るんでしょ?」
「はい」
「あとで詳しく話聞くから」
「あの、ご飯は」
「食べてない。芙実のとこで食べさせて」
理志の声が若干怒っているように聞こえたが、思いがけず二人で会えることが嬉しく、芙実は意気揚々として家に帰った。
芙実はスーパーに寄って食材とビールを買った。
家に帰る途中の本屋に立ち寄る。
ロックバンド雑誌の発売日だったので、まずはそれを手にしてからレジに向かう途中である雑誌が目に入った。
定期的にセックス特集を組んでいる雑誌だった。人気俳優がモデルの女性と絡んでいる刺激的な表紙だ。
(スローセックスで・・・・・・彼と味わったことのない至極の時間を・・・・・・)
芙実は表紙に書かれた文字を読んで、どうしても買いたくなってしまった。
スローセックスは時間をたっぷりかけてするセックスだ。一度、理志としてみたいと思っていた。芙実は勇気を出して雑誌を手に取り、先ほどのロックバンド雑誌の下に重ねてレジに持っていった。
家に帰って食事の支度をする。理志は意外と煮物が好きだ。筑前煮を手際よく用意した後、母が送ってきたさわらの西京焼きを解凍して焼く。サラダを作って、蕪のお味噌汁を作り終わった頃に理志がやってきた。
「お疲れさまでした」
芙実は理志のスーツの上着を受け取ってハンガーにかける。
理志は黙ってネクタイを外している。
「・・・・・・怒ってます?」
理志はチラ、と芙実を見てからテーブルに座った。
「怒ってるけど、怒ってない」
(・・・・・つまり、怒ってるってこと?)
「何を話すんだよ」
「何をって・・・・・・昔の話とか・・・・・今何してるかとか・・・・・・」
「たこ焼き食べながら?」
芙実は心底驚いた。理志はどこかで見ていたのだろうか。
「えっ。すごい、なんでわかるんですか?」
「・・・・・・・」
芙実は思わずきょろきょろと周りを見回して、理志がいないか確かめた。
さすがにここにはいないようだが、この洞察力はいったいどこから来るのだろうと不思議に思う。
「・・・・・もう少ししたら仕事終わるから、芙実の家に行く。もう芙実も帰るんでしょ?」
「はい」
「あとで詳しく話聞くから」
「あの、ご飯は」
「食べてない。芙実のとこで食べさせて」
理志の声が若干怒っているように聞こえたが、思いがけず二人で会えることが嬉しく、芙実は意気揚々として家に帰った。
芙実はスーパーに寄って食材とビールを買った。
家に帰る途中の本屋に立ち寄る。
ロックバンド雑誌の発売日だったので、まずはそれを手にしてからレジに向かう途中である雑誌が目に入った。
定期的にセックス特集を組んでいる雑誌だった。人気俳優がモデルの女性と絡んでいる刺激的な表紙だ。
(スローセックスで・・・・・・彼と味わったことのない至極の時間を・・・・・・)
芙実は表紙に書かれた文字を読んで、どうしても買いたくなってしまった。
スローセックスは時間をたっぷりかけてするセックスだ。一度、理志としてみたいと思っていた。芙実は勇気を出して雑誌を手に取り、先ほどのロックバンド雑誌の下に重ねてレジに持っていった。
家に帰って食事の支度をする。理志は意外と煮物が好きだ。筑前煮を手際よく用意した後、母が送ってきたさわらの西京焼きを解凍して焼く。サラダを作って、蕪のお味噌汁を作り終わった頃に理志がやってきた。
「お疲れさまでした」
芙実は理志のスーツの上着を受け取ってハンガーにかける。
理志は黙ってネクタイを外している。
「・・・・・・怒ってます?」
理志はチラ、と芙実を見てからテーブルに座った。
「怒ってるけど、怒ってない」
(・・・・・つまり、怒ってるってこと?)