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女ざかりの恋の音色は
第12章 【番外編】くもり空と秋晴れの空と
「学校でなんかいろいろ面倒なことになって・・・・・。俺のこと好きな子同士がモメたり。俺、高校は水泳部だったんだけど、水泳部の三年の先輩の彼女が俺の事好きになって、先輩に殺されそうになったりとか。大学生の彼女いるってなったら、みんな諦めつくのか寄ってこなくなって。あとは・・・・・まあ、ほら、大学生は一人暮らしの子が多いでしょ」
「エッチしやすい環境的なやつですか・・・・・・」
「だって高校生男子だから」

理志はにやにやと笑った。
芙実の胸のカーブをゆっくり指でなぞる。
先端に触れそうになる寸前で止めた。

「でも大学受験でまたそういうのから離れて。大学に入ってからは・・・・・・。ちらほら付き合った気がするけど、俺、バイトやらサークルやら、趣味のことで時間なくってさ。もちろん授業もあったし。付き合いだしてもすぐ別れるんだよね。あまり会えないよって言って、相手も了承して付き合うんだけど、本当に会わないから別れようってなるよね」
「理志さんから告白したことって一度もないんですか?」
「あー・・・・・・」

理志は少し言いづらそうにうつむく。

「一人だけいた。大学二年の時にイタ飯屋の厨房で働いてたことあって。そこのホールの子。他の大学の一年生で」

芙実は理志が唯一告白したという子がどんな子なのか気になって上半身を起して聞いた。

「どんなところを好きになったんです?」
「んー・・・・・・。その子、北海道出身の子で彼氏が北海道にいたんだよ。遠距離恋愛してて。明るくてめちゃくちゃ前向きな子で、彼氏の話とかすごい嬉しそうに話すような感じで。訛りとか可愛くて。で、まあ、なんかいいなーこの子って思って。バイト終わる度に二人で話すようになった」

理志の表情が今までの彼女について話す時と違っていた。
嫌々話しているのではなく、懐かしんで穏やかな表情だった。

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