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女ざかりの恋の音色は
第12章 【番外編】くもり空と秋晴れの空と
「・・・・・・会社で、キ、キスとかしました?しますよね。そりゃ・・・・・」
「え?キス?するわけないじゃん。そんなリスク冒してまでしたいと思わなかったし。むしろ向こうがそういう空気出してくると勘弁してよ、みたいな。冷たくしてたね」
「えっ・・・・・・。でも・・・・・・・」

私にはあんなにも会社で求めてくるではないか、と言いかけてやめた。
理志が察して微笑む。

「芙実の場合は、リスクおかしてもキスしたいからしてるんだよ。ひょっとして誰にでもこんな感じだと思ってる?多分今までの彼女が今の俺みたらびっくりすると思う。付き合いだすと冷たくなるっていう嫌な男だったから」
「そうなんだ・・・・・・」
「セックスも普通っていうか、むしろ淡白な方だったと思うけど。ベタベタいちゃいちゃとか全然しなかったし。こんな何時間もかけてセックスしたいなんて思うの、芙実だけだよ」

芙実は自分が思っていた理志のイメージと全く違っていたことに驚いていた。
もっと切なかったり苦しかったり、情熱的だったり、そんな恋愛を沢山してきたのかと思っていた。

理志の話では、来るもの拒まず去るもの追わずといったような、相手の方からやってきたからとりあえずこなしていったという、恋愛の深みを感じることのない付き合いしかしてないようだ。

意外な理志の話に黙っている芙実の頬を理志が撫でて、そっと唇と頬にキスした。

「・・・・・・その後も2、3人付き合ったけど、残業とか休日出勤とか全然理解してもらえないからそれフォローするのも鬱陶しくって。こっちも一応は会おうと努力して時間作ってもさ。もっと会いたいとか、他に誰かいるんじゃないのとか言われると、面倒くさいなーってなって。仕事楽しくなってきてたとこだし、しばらく女の子いいやって誘いもずっと断ってたから、二年くらい彼女いなかった」

理志が首筋を優しく何度も撫で、鎖骨に指を這わせる。
指の動きが徐々に官能的になっていく。

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