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女ざかりの恋の音色は
第12章 【番外編】くもり空と秋晴れの空と

既にたくさんの人々が森の中の道を行ったり来たりしている。
受付を済ませ、テントサイトへと向かう。
少し雲が多かったが、木々の隙間から朝日が差し込み、キラキラしていた。
紅葉している木も多く、紅と緑と茶色のコントラストが美しかった。
テントサイトは区画に分かれておらず、隣との距離を適度に保って自由に設置していく形式だった。
芙実たちはテントサイトの端の方に二つ離れて設置されていたテントの間にスペースがあったので、そこに設営することに決めた。
テントは理志の姉が家族でのキャンプ用に最近購入したというものを借りてきてくれた。
「椅子もテーブルも、だいたいのキャンプグッズ姉ちゃんに借りてきた。実家のやつ、もう古くて」
「あの、お姉さんに何かお礼をしないとですよね。何がいいでしょう」
「お礼なんていいよ。でも、まあ、帰りに何か手土産買っていこうか」
理志は子供の頃よく家族でキャンプに行っていたらしく、慣れた動作でテントの準備をしている。
芙実はポールの片側持って、そこ押さえてと指示された通りに動く。
理志が手際よくペグをハンマーで打つ。こういうところでまた恋に堕ちてしまう。理志が作業に集中している姿を見て胸をときめかせていた。
フライシートをかぶせる。濃いグリーンのテントがすっきりと設置されて感動する。
中に入ってみようとした時だった。
「おはようございますー」
隣のテントの女性が挨拶をしてきてくれた。
芙実は慌てて頭を下げた。
「あ、おはようございます。お隣、失礼してます。よろしくお願いします」
「こちらこそよろしく!」
茶色い長い髪をポニーテールにした、明るい笑顔が印象的な女性だった。
芙実の方に向かって数歩あるいたところで、何もないのに突然コケた。
芙実は咄嗟に手を出して身体を支えた。
「だ、大丈夫ですか!?」
「あはは。私って、よくコケるんです。はずかしい~」
女性はそう言って苦笑いした。
芙実と同じような山ガールコーデだが、色合いはグレーやマスタードイエローを取り入れた落ち着いた組み合わせだった。
大きな目に溌剌とした雰囲気は、まさにフェスに来る元気な女の子という感じだった。
受付を済ませ、テントサイトへと向かう。
少し雲が多かったが、木々の隙間から朝日が差し込み、キラキラしていた。
紅葉している木も多く、紅と緑と茶色のコントラストが美しかった。
テントサイトは区画に分かれておらず、隣との距離を適度に保って自由に設置していく形式だった。
芙実たちはテントサイトの端の方に二つ離れて設置されていたテントの間にスペースがあったので、そこに設営することに決めた。
テントは理志の姉が家族でのキャンプ用に最近購入したというものを借りてきてくれた。
「椅子もテーブルも、だいたいのキャンプグッズ姉ちゃんに借りてきた。実家のやつ、もう古くて」
「あの、お姉さんに何かお礼をしないとですよね。何がいいでしょう」
「お礼なんていいよ。でも、まあ、帰りに何か手土産買っていこうか」
理志は子供の頃よく家族でキャンプに行っていたらしく、慣れた動作でテントの準備をしている。
芙実はポールの片側持って、そこ押さえてと指示された通りに動く。
理志が手際よくペグをハンマーで打つ。こういうところでまた恋に堕ちてしまう。理志が作業に集中している姿を見て胸をときめかせていた。
フライシートをかぶせる。濃いグリーンのテントがすっきりと設置されて感動する。
中に入ってみようとした時だった。
「おはようございますー」
隣のテントの女性が挨拶をしてきてくれた。
芙実は慌てて頭を下げた。
「あ、おはようございます。お隣、失礼してます。よろしくお願いします」
「こちらこそよろしく!」
茶色い長い髪をポニーテールにした、明るい笑顔が印象的な女性だった。
芙実の方に向かって数歩あるいたところで、何もないのに突然コケた。
芙実は咄嗟に手を出して身体を支えた。
「だ、大丈夫ですか!?」
「あはは。私って、よくコケるんです。はずかしい~」
女性はそう言って苦笑いした。
芙実と同じような山ガールコーデだが、色合いはグレーやマスタードイエローを取り入れた落ち着いた組み合わせだった。
大きな目に溌剌とした雰囲気は、まさにフェスに来る元気な女の子という感じだった。

