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女ざかりの恋の音色は
第3章 近づきたい
芙実は理志の袖から見えている時計に目線を移した。
(この人たちって、ファッションにどれだけお金かけてるんだろ・・・・・・)
ネットで見る彼らの服は信じられないくらい高いが、芙実がライブに行きたいために働くのと一緒で、服を買うために働いているのだろうなとぼんやり思った。
「でも、樫野さんもあるよ。オーラ」
理志に言われて、芙実は目を丸くした。
「はい?」
「オーラっていうか・・・・・・なんていうか・・・・・・引き寄せる空気?みたいな」
「ないです、ないです。それは蒼井さんでしょう?私なんてただの地味女ですから」
「地味じゃないでしょ。清楚っていうんじゃないの」
清楚と言われて内心ドキっとする。目の前の女が毎晩のように一人で快楽を貪ってるとは想像もつかないのだろう。
「昨日の樫野さん、可愛いかったよ」
理志が不意に言った言葉が、すぐに理解できなかった。
「すごい可愛いかった」
芙実はなんと返したらいいのかわからず、耳まで赤くしてうろたえた。
「いや・・・・・・あの・・・・・・・・。昨日のことは、忘れてください・・・・・・」
理志はじっと芙実を見つめていたが、時計を見て慌てて胸ポケットから何かを取り出した。
「ねえ、これ。行かない?」
芙実は理志が差し出したものに視線を移した。
昨日西野と話した、芙実が行きたかったが抽選に外れたライブのチケットだった。
「・・・・・・・・!!えッ!!どうしてこれ・・・・・・・」
「西野、仕事でいけなくなっちゃったんだって。もったいないからって樫野さんにあげてって、今わざわざ昼休み中に持ってきてくれた」
芙実が一番好きなバンドのライブだった。
(行きたい!行きたいけど・・・・・・・!蒼井さんと行くってことだよね・・・・・・?ええーーー)
芙実は心の中でどうしようどうしようと迷っていた。
理志が声を上げて笑う。
「あはは!葛藤してる」
心を見透かされて芙実はまた耳を赤くした。
(わーーーー!どうしよう!行きたいなぁ!今回のツアーはデビュー時期の曲いっぱいやってくれたってレポあって、行きたいと思ってたんだよなあ・・・・・!)
「そんな難しく考えないで、行こうよ。ね?」
理志が悩んでいる芙実の顔を覗き込んで言った。
(この人たちって、ファッションにどれだけお金かけてるんだろ・・・・・・)
ネットで見る彼らの服は信じられないくらい高いが、芙実がライブに行きたいために働くのと一緒で、服を買うために働いているのだろうなとぼんやり思った。
「でも、樫野さんもあるよ。オーラ」
理志に言われて、芙実は目を丸くした。
「はい?」
「オーラっていうか・・・・・・なんていうか・・・・・・引き寄せる空気?みたいな」
「ないです、ないです。それは蒼井さんでしょう?私なんてただの地味女ですから」
「地味じゃないでしょ。清楚っていうんじゃないの」
清楚と言われて内心ドキっとする。目の前の女が毎晩のように一人で快楽を貪ってるとは想像もつかないのだろう。
「昨日の樫野さん、可愛いかったよ」
理志が不意に言った言葉が、すぐに理解できなかった。
「すごい可愛いかった」
芙実はなんと返したらいいのかわからず、耳まで赤くしてうろたえた。
「いや・・・・・・あの・・・・・・・・。昨日のことは、忘れてください・・・・・・」
理志はじっと芙実を見つめていたが、時計を見て慌てて胸ポケットから何かを取り出した。
「ねえ、これ。行かない?」
芙実は理志が差し出したものに視線を移した。
昨日西野と話した、芙実が行きたかったが抽選に外れたライブのチケットだった。
「・・・・・・・・!!えッ!!どうしてこれ・・・・・・・」
「西野、仕事でいけなくなっちゃったんだって。もったいないからって樫野さんにあげてって、今わざわざ昼休み中に持ってきてくれた」
芙実が一番好きなバンドのライブだった。
(行きたい!行きたいけど・・・・・・・!蒼井さんと行くってことだよね・・・・・・?ええーーー)
芙実は心の中でどうしようどうしようと迷っていた。
理志が声を上げて笑う。
「あはは!葛藤してる」
心を見透かされて芙実はまた耳を赤くした。
(わーーーー!どうしよう!行きたいなぁ!今回のツアーはデビュー時期の曲いっぱいやってくれたってレポあって、行きたいと思ってたんだよなあ・・・・・!)
「そんな難しく考えないで、行こうよ。ね?」
理志が悩んでいる芙実の顔を覗き込んで言った。