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女ざかりの恋の音色は
第12章 【番外編】くもり空と秋晴れの空と
姑が実家に帰れば解決するのだからと言い聞かせ我慢していた。
やっと姑が実家に帰り二人の生活に戻った頃、浩之の仕事の配属先が換わり、今まで以上に多忙になった。
平日は遅くに帰り、土曜日も仕事、日曜日は疲れで1日中寝る生活になった。
それでも姑がいた頃より、揉め事もなく仲良くお互いを思いやって生活してきた。
ただ、セックスだけが戻らなかった。

「最初は、まあ、しなくてもいいか。みたいな。私も働いてるから、なんだかんだ疲れてるし、もともとそこまで性欲旺盛だったわけじゃないしって。でもね、半年経って、一年経って。あれ?これ、ちょっとやばいかなって思った時はもう遅くて。私から誘ってもやんわり断られて・・・・・。これがけっこう辛いんだぁ。勇気出して誘っても断られるって。それでも諦めないで旅行行ったり、スキンシップ増やしたり、下着を色っぽいのにしてみたり・・・・・・。だからこうして肌も頑張って手入れしてるの。体型はもともとジム通ってたからそんなに劣化してないと思うんだけど・・・・・・」

友里の表情がどんどん曇っていく。溌剌さはどこかへ行ってしまった。
友里の健気さに胸がきゅ・・・・と痛む。

「それでさ、もう我慢できなくなって、ちゃんと話し合おうって言って。なんでそんなにしたくないのって聞いたら、断られ続けて心が折れたって。俺のこと本当に好きなら、どんな時でも出来たはずだって言うの。私、自分で言うのも恥ずかしいんだけど、旦那と結婚する前は、そこそこモテてね。職場の中でも旦那入れて何人かに結婚したいって言われてたんだけど、それを旦那が未だに根に持ってたのよ。あいつらなら、ちゃんと好きになってどんな状況だって応えたはずだって。俺のことなんて本当に好きじゃないんでしょって。何言ってるのって思ったよ。私はあなたが好きだからあなたを選んだんだって言っても、なんかもう心が離れていっちゃってるの感じて・・・・・」

友里はガーランドの紐をぎゅ・・・・・と握り締めた。

「それでも・・・・・・それでも、夫婦だから。修復しようと思って頑張ったの。その話にならなければ仲良く過ごせるから、私ももういいかって思うんだけど、でも、でもさ・・・・・・」

友里の目に溜まっていた涙がパタパタとガーランドのフラッグの上に落ちた。
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